金足農、4番・打川が先制V打、大友が追加点で輝星アシスト

スポーツ報知
あいさつに出向いた金足農ナインを拍手と声援で迎えたアルプススタンドの大応援団

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第15日 ▽準決勝 金足農2―1日大三(20日・甲子園)

 準決勝で金足農(秋田)が日大三(西東京)に2―1で競り勝ち、秋田勢として1915年の第1回大会・秋田中(現・秋田)以来、103年ぶりの決勝進出を果たした。金足農はエース吉田輝星(こうせい、3年)が9安打1失点の力投。大友朝陽中堅手(3年)が5回の中前適時打を含む4打数2安打で貢献した。21日の決勝は春夏連覇を目指す大阪桐蔭(北大阪)と対戦する。チームの活躍に秋田市内の同校でもパブリックビューイング(PV)が開かれ、約100人が仲間の活躍に声援を送った。

 秋田県勢103年ぶりの決勝進出が決まった瞬間、球場全体から大歓声が沸き起こった。強豪・日大三に2―1で競り勝って同校初、秋田県勢では1915年の秋田中以来の快挙。全力で校歌を歌いきったナインはアルプススタンドに向け、豪快にガッツポーズを決めた。最後の打者が放った中飛を補球した大友は「ボールが意外に伸びてきて一瞬焦ったが、取った瞬間はホッとした。記録を超えたなと思った」と胸を張った。

 勝負強いバットで導いた。5回2死二塁。相手のフォークを中前に運び、チーム2点目となる適時打。9安打を打たれながらも1失点でしのいだエース右腕・吉田に大きな援護射撃となった。試合中に吉田と3度行う、刀を抜く「シャキーン」ポーズは、大会関係者からの指摘を受け控えめに。それでも、カラオケでは“合いの手”を送ってマイクを離さないというチームのムードメーカーは「吉田が頑張っているのでバットで応えることができた」と笑顔をみせた。

 「全国優勝」の目標を掲げ、たどり着いた決勝の舞台。相手は史上初となる2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭だ。「一番強いチームと戦える。練習通りに打って優勝したい。負けては初戦負けと変わらない」と勝利への強い思いを明かす。準決勝では控えめだった「シャキーン」も「やっぱりやりたい。最後ですから」と予告。いつも通りの力を出し切って最強の敵をのみ込んだとき、深紅の大優勝旗が東北の地に渡る。(遠藤 洋之)

 ◆4番「やっと貢献」 

 「4番・三塁」の打川和輝(3年)が初回2死二塁から左翼線へ貴重な先制適時打。「やっとチームの勝利に貢献できると思っていた」とホッとした表情を浮かべた。決勝の相手・大阪桐蔭はずっと対戦を熱望していた。「決勝ではフルスイングしたい。チャンスではしっかり狙っていきたい」と誓った。

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