金足農、初Vに王手「隙見せると走ってくる」…輝星に聞く

スポーツ報知
厳しい表情を見せる金足農・吉田(カメラ・義村 治子)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第15日 ▽準決勝 金足農2―1日大三(20日・甲子園)

 みちのくの怪腕が、ついに東北勢悲願の初Vに王手をかけた。金足農の150キロ右腕・吉田輝星(こうせい・3年)は、強打の日大三打線に9安打を浴びながら7奪三振1失点で5試合連続完投勝ち。同校初、秋田勢としても1915年の第1回大会で準優勝した秋田中(現秋田)以来、春夏通じて103年ぶり2度目となる決勝進出を決めた。21日の決勝は、史上初の2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)が相手となった。

 ◆輝星に聞く

 ―けん制が多かった。

 「(日大三の)小倉監督がリードを広く取れと指示を出す声がベンチから聞こえていた。自分が隙を見せると走ってくると思った」

 ―左足を下ろす速度を変えていた。

 「たまにやってますね。足を上げ終わってから着くまで速くすることで、遅い球でも反応できない。簡単にストライクが取れればいいなと思っている」

 ―そういう投球術はどこで学ぶのか。

 「だいたい、自分で考えています。バッターの反応を見て変えている」

 ―8回1死一、二塁で伝令。

 「今まで来たことがない選手だった。『自分がピンチになったら一発芸で笑わせます』と言っていた。それがクソ面白くなかったので『帰れ』と(笑い)。大阪弁でおじさんのまねをしていたんですけど、全く面白くなかった」

 ―シャキーンポーズが控えめだった。

 「部長から試合前に注意されて。控えめ? 適当にポイって。(中堅の)大友がどうしてもやりたいっていうから。自分はなければないでいいんだけど(笑い)」

 ―農業高校の代表としての意識も強い。

 「甲子園に出られない農業高校が多い。農業高校を盛り上げるためにも優勝したい。自分たちもできる、甲子園出られるんだと、勇気づけられればいい」

 ◆悲願の優勝旗“白河の関越え” 04年夏に駒大苫小牧が北海道勢で初の全国制覇を果たした。それまでは62年春夏の作新学院(栃木)が最北端で、“白河の関”を越えていつ東北地方に優勝旗がもたらされるか、注目されていたが、駒大苫小牧は一気に“津軽海峡越え”を達成。05年には夏連覇を成し遂げた。なお、大阪勢は春夏合計23度の優勝をマークしている。

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