金足農・吉田輝星「巨人が好きです」…具体的進路は未定も

スポーツ報知
大歓声を浴び、笑顔を見せながら高校に凱旋した吉田輝星

 第100回全国高校野球選手権記念大会で、秋田勢としては103年ぶりに準優勝した金足農のナインが22日、秋田に凱旋し、空港や学校では秋田県民や生徒らが大歓声で迎えた。最速150キロを誇るエース右腕・吉田輝星(こうせい・3年)は学校での報告会後、具体的な進路については未定とした上で、好きな球団について「巨人が好きです」と素直な憧れを告白。将来的な夢として「行きたいです」と未来予想図を描いた。

 金足農での報告会終了後、吉田は報道陣に将来の進路を問われ、「どこに行くかは考えていませんが、いずれはプロ野球選手になって活躍したい」と目標を掲げた。好きな球団を聞かれると「巨人が好きです」と話し、「巨人に行きたい?」との問いに「はい、行きたいです」と素直な憧れを口にした。

 今大会開幕前までは八戸学院大(北東北大学)への進学が有力視されていたが、甲子園では大会NO1投手に成長。U18高校日本代表にも初選出されるなど、評価は高まる一方だ。プロのスカウト陣の評価も高く、「プロ志望届を出せば、1位の12人に入るかもしれない」との声も出ていた。秋田出身で3度の3冠王に輝いた元中日監督の落合博満氏(64)も21日、同郷のニュースターに「吉田はドラフト1位で消えるだろうね。オレが監督だったら(1位で)行くな」と称賛していた。近未来の目標に「大阪桐蔭のプロに入ったメンバーと対戦して、自分の成長した姿を見せたい」とも話す。今後はあらためて進路を熟考し、決断することになる。

 金足農ナインが凱旋したこの日、秋田は大フィーバーに包まれた。選手たちがバスで同校に到着した瞬間、市民や生徒約1000人の大歓声とカメラのシャッター音が鳴り響いた。「ありがとう!」「感動した!」。温かい言葉が飛び交う中、準優勝盾を持った佐々木大夢主将(3年)を先頭に、吉田は爽やかな笑顔を振りまきながら花道を続いた。ナインは照れくさそうな表情を浮かべ、声援に応えた。

 選手らは午後3時20分ごろ、日航の臨時便で秋田空港に到着。ロビーには準優勝を祝う横断幕が掲げられ、約1400人が出迎えた。同校で午後4時から行われた報告会では、佐々木と吉田が選手を代表してマイクを握った。吉田は「準優勝できたのは、自分たちの力以上のものを出させてくれた声援のおかげです。決勝は大差で負けてしまい、悔しい気持ちだったけど、準優勝という結果を吹き飛ばしてくれるぐらい、皆さんの声援がすごくてうれしかった」と感謝を伝えた。報告会が終わってからも校門前では、選手たちの帰りを熱心に見送る人々の姿があった。数々のドラマを生んだ第100回大会は終了したが、その進路を含めて、輝星を巡るフィーバーはまだまだ、終わりそうにない。

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