八戸学院光星、4回一挙13点で青森山田を撃破

スポーツ報知
4回2死満塁、中前に2点適時打を放つ八戸学院光星・近藤

◆秋季高校野球青森県大会 ▽準決勝 八戸学院光星17―1青森山田=5回コールド=(22日・はるか夢)

 青森準決勝では八戸学院光星が、青森山田に17―1で5回コールド勝ち。4番・一塁の近藤遼一(2年)が、先制の2点適時二塁打を含む4打数4安打5打点と大暴れし、11年連続22度目の秋季東北大会(10月12日から6日間、秋田)出場を決めた。宮城準決勝では古川が大崎中央に4―0で勝ち、57年ぶり3度目の東北大会切符を獲得。エース右腕の千坂優斗(2年)が8安打完封、5番・左翼の尾形颯(そう、2年)が初回に先制打と、投打がかみ合った。また岩手、秋田、山形各県大会は、雨天のため23日に順延された。

 八戸学院光星が演じた「猛打ショー」の主役は、もちろん4番の近藤だ。まずは初回無死満塁。内角への直球を鋭いスイングではじき返した。左翼線へ先制の2点適時二塁打となり、「あの1本でチームは勢いに乗れたと思う」と笑顔。初回で3点を奪い、一気に流れをつかんだ。

 ショーはまだまだ続く。3回にも無死一塁から左前打を放ってチャンスを広げ追加点を演出すると、チームは4回、制球に苦しむ青森山田のエース・堀田賢慎(2年)を捉え集中砲火を浴びせた。1死から、唯一のスタメン1年生の9番・中沢英明捕手の三塁打を口火に打者18人の猛攻で13得点。近藤はこの回2本の中前適時打を放つなど、4打数4安打5打点。夏11回、春2回の甲子園出場を誇るライバルの青森山田を3季連続でのコールド勝ちと、完全に打ち砕いた。

 悔しさが、成長につながった。近藤は、今夏の青森県大会ではメンバー入りも夏の甲子園ではベンチ外に。「あの時は、めちゃくちゃ悔しかった…。秋は自分にとってリベンジの場所。1打席もムダにしない」と近藤。来春のセンバツを目指し、抜群の集中力で試合に臨む。

 新チーム始動後、打席での新たなルーチンワークを取り入れた。相手投手に向けて左手でバットを立て、左肩に右手を添えるその姿は大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー(44)を思い起こさせる。「今までは意識したこともなかったけど、この動作を取り入れてから、打席でリラックスできるようになった」と好調のきっかけを明かした。

 11年連続22度目の東北大会出場を決めたが「まずは県大会優勝を決める」と残り1勝へ、近藤は表情を引き締めた。聖地に立てなかった悔しさ、ふがいなさを糧に成長を続け、自らのバットで栄光へ導く。(小林 泰斗)

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