星稜、県内公式戦連続無失点63で止まるも快勝で4強 エース・奥川4失点も初アーチ7打点

スポーツ報知
9回に高校初本塁打を放った奥川

◆秋季高校野球石川大会 ▽準々決勝 星稜13―4金沢(22日・石川県立)

 準々決勝4試合が行われ、3季連続甲子園出場を目指す星稜が金沢に13―4で完勝した。春季大会決勝から続く石川県内公式戦連続無失点記録は63イニングで途絶えたが、U18日本代表の最速150キロ右腕・奥川恭伸(2年)が今大会初登板で完投勝利。打っては高校初本塁打を含む3安打7打点と活躍した。

 マウンドでは4点を失ったが、バットで7点を奪い返した。奥川は1回に右前に2点適時打、2回にも中前に2点適時打を放つと、9回2死二、三塁から左翼席に放り込む3ランで計7打点。練習試合も含め高校第1号のアーチを「真っすぐを振りにいったら途中で曲がった。泳がされて先っぽに当たっただけだったので、入るとは思わなかった」と照れながら振り返った。

 大差はついたが、最後までマウンドを譲らなかった。2回2死二塁では右中間に三塁打を浴び、チームとして県内公式戦9試合ぶりの失点を喫したが「相手のスイングも鋭かったので、正直(失点)ゼロはきついかなと思っていた。これで他のピッチャーも変なプレッシャーがなくなりますね。今度は投げる方でもしっかりしたい」と笑わせた。

 甲子園の済美(愛媛)戦では最大6点差を逆転され、延長13回逆転サヨナラ負けで涙をのんだ。最上級生エースとして「星稜が一番、野球の怖さを知っている。試合はどっちに転んでもおかしくないので、自分が最後まで投げないといけないと思った」と自覚している。

 2年生唯一の侍ジャパン戦士として、高校球界注目の投手となった。宇ノ気小4年時からバッテリーを組む山瀬慎之助主将(2年)は「真ん中に入っても詰まらせていたし、他の投手とは格が違う。あとは細かいコントロールがつけば、日本一の投手になれる」と太鼓判を押した。

 全国のライバルの活躍にも刺激を受けている。岩手県大会で、大船渡の2年生右腕・佐々木朗希が157キロを記録。甲子園で2年生最速の150キロをマークした奥川は「あそこまでやられたら、発奮材料にすらならない」と脱帽しながらも、「球速では絶対勝てないが、勝てる部分で勝負したい。全体的に1段階、2段階もレベルアップしたい」とさらなる進化を誓った。(勝田 成紀)

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