清水桜が丘・敦賀が連続完投で東海切符「アドレナリンが出た」

スポーツ報知
決勝進出を喜ぶ桜が丘の敦賀(中央)

◆秋季高校野球静岡県大会 ▽準決勝 清水桜が丘4―1加藤学園(23日・草薙)

 準決勝が行われ、清水桜が丘(中部2位)はエース敦賀渉(しょう、2年)が、加藤学園(東部1位)を3安打1失点に抑え、前日の準々決勝に続く完投勝利。13年の清水市商と庵原の統合後初の東海大会出場を決めた。御殿場西(東部4位)は静岡(中部5位)を9―3で破り、92年以来26年ぶりの東海切符を獲得。左腕エース・高田翔太(2年)が12安打を浴びながらも3点に抑え、決勝に進出した。29日に決勝と東海大会最後の出場校が決まる3位決定戦が開催される。

 エース・敦賀の気迫の投球が、清水桜が丘を初の東海へと導いた。最後は111キロのスライダーで、加藤学園の打者を見逃し三振に仕留め、右手でガッツポーズ。背番号1は「うれしい。去年不調で苦しい時もあったので達成感がある」と前身の97年清水市商時代以来の東海大会進出を喜んだ。

 122球完投した前日の東海大静岡翔洋戦(5○4)に続いての連投にも、球威は最後まで落ちなかった。「アドレナリンが出て、疲れは感じなかった」と、昨秋に日本ハム・堀瑞輝を参考に習得したホームベースに背を向け、体を大きくひねる独特のフォームから、スライダーと直球を繰り出し、9奪三振。加藤学園をわずか3安打に抑え、125球で今大会5完投目。曲田雄三監督(35)は「地区大会の時に比べ我慢強くなっている」と新チーム当初は背番号10を付け、地区準々決勝・静清戦から背番号1を奪取したエースの成長に目を細めた。

 打線も力を発揮した。初回に先制された直後の2回、翔洋戦でサヨナラ打を放った山沢元輝(1年)が2日続けての殊勲打となる勝ち越し打などで3得点し逆転。指揮官は「ベンチ外の選手も積極的に打撃投手をするし、引退した3年生もスタンドに応援に来る。そうしたみんなの勝ちたい思いが勝利につながっている」とチームの一体感を勝因に挙げた。

 御殿場西との決勝に向け敦賀は「優勝して東海に行きたい」。清水桜が丘のエースが県の頂点という新たな歴史の1ページを作りに行く。(山中 優輝)

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