札幌大谷・太田、ロングリリーフ!9回満塁しのぎ初V呼び込んだ

スポーツ報知
3回途中から救援し、3失点と粘投した札幌大谷・太田

◆第71回秋季北海道高校野球大会 ▽決勝 札幌大谷9―6札幌第一(8日・札幌円山球場)

 札幌大谷が札幌第一に9―6で逆転勝ち。創部10年目で初優勝を飾り、春夏通じて初の甲子園となる来春のセンバツ(3月23日開幕)出場を全国最速で“当確”させた。8回1死一、二塁、5番・佐藤颯馬三塁手(1年)が、右中間へ勝ち越しの2点適時二塁打を放った。新チーム発足時に二塁手だった森優太(2年)が、選手の道を諦めてマネジャーに転向。“森のために―”と結束したナインが頂点に立った。同校は北海道地区代表として明治神宮大会(11月9日開幕)に出場する。

 3点差で迎えた9回2死満塁。一発逆転のピンチに、札幌大谷のサイド右腕・太田は全身の血がわき、鼓動が高鳴るのを感じた。「打たせて取ろう」。110球目、シュートで空振り三振に打ち取った。3回途中から登板し7回を自責点1に抑え「優勝できて本当に良かった」。背番号17の頬に、初めて喜びの涙が流れた。

 2点を勝ち越した8回1死二塁では、左翼スタンドにダメ押し2ラン。小1から始めた野球人生初の一発に「まさか入るとは思わず、すんげーうれしかった」。試合後、緊張から解放された太田は「どわっと来て」過呼吸を発症。全身の力を使い果たした投打のヒーローは、閉会式で表彰される仲間をベンチで見届けた。

 神宮では全国の強豪が相手となる。「自分の武器はテンポ良く打たせて取るピッチング。一戦一戦戦っていくだけ」。金色のメダルを胸に、更なる高みを見据えた。(宮崎 亮太)

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