花巻東リベンジ、昨秋決勝で敗れた聖光学院に7点差から大逆転

スポーツ報知
8回、逆転の左前適時打を放ち、雄たけびを上げる花巻東・中森(カメラ・有吉 広紀)

◆秋季東北大会 2回戦 花巻東12―10聖光学院(14日、秋田・こまちスタジアムほか)

 2回戦6試合が行われ、花巻東(岩手2位)が聖光学院(福島1位)に、7点差をひっくり返す逆転劇で12―10で勝利した。投手から中堅に回った2番・中森至(2年)が、7―8の8回1死二、三塁で左前へ逆転の2点適時打。昨秋の決勝で敗れた相手に雪辱した。

 打球の行方を見届けた花巻東・中森は、何度も握り拳を作って雄たけびを上げ、喜びを表した。「負けたくない気持ちが強かった。(ガッツポーズは)自然と出ました」と振り返った中森。1点差に迫って迎えた8回1死二、三塁から飛び出した左前2点適時打で7点差を逆転。この回7点を奪うと、9回の反撃も2点に抑えて逃げ切った。

 指揮官の言葉でチームに火がついた。先発した中森は2回1/3を8安打6失点と打ち込まれて中堅に下がり、チームも5回終了時で1―8と劣勢。グラウンド整備中、佐々木洋監督(42)が強い口調で言い放った。「コールド負けなんて近年ないよ。もうちょっとやれると思っていた」。奮起をうながそうと、あえて厳しい言葉をかけた指揮官の狙いは、選手たちに届いた。

 6、7回に2点ずつ返し、8回は無死満塁から代打・田村陽大(はると、1年)の左翼線2点適時打で7―8。犠打を挟み打席に立った中森は「外角に多く投げていると分かった」と、狙い球を絞り殊勲打につなげた。打撃練習では外角球を中堅から逆方向に打つことをチーム全体で意識。「いい投手は内角を突いてくるけど、両方(内と外)は打てない。外角に絞っていこうと話した」(中森)と、勝つためにできることを徹底した成果が出た。

 昨秋の決勝で敗れた相手に1年越しの雪辱。中森は決勝に1番・中堅で先発も5打数無安打に終わっていたが、この日は5打数4安打4打点と結果を残した。投げても12―9の9回2死満塁で再登板し、1失点も最後を締めくくった。準々決勝(15日)は仙台育英と対戦する。「自分たちで流れを作れば点差を縮められると分かった」と手応えを感じた中森が、チーム全体で勝利への流れを作っていく。(有吉 広紀)

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