【ドラフト連載】〈6〉天理高・太田椋、根尾や小園より守備うまい

スポーツ報知
ウェートトレーニングに励む天理・太田

 プロ野球ドラフト会議が25日に行われる。史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭の根尾昂内野手(3年)ら目玉候補が脚光を浴びる一方、確かな実力を持つ逸材や異色の選手もいる。スポーツ報知では「輝く隠れスター」と題し、7回にわたって紹介。第6回は天理高・太田椋(17)。

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 天理高の太田椋主将(3年)は1年夏から名門のレギュラーに定着し、昨夏の甲子園は4強入りに貢献した。今年は春夏ともに聖地を踏めなかったが、大阪桐蔭高・根尾昂や報徳学園高・小園海斗のドラフト1位候補とともに「遊撃手ビッグ3」としてプロの注目を集めた。「守備に自信がある。派手なプレーより、取れるアウトを取る」と自身の長所を分析する。その2人と比較して「一番守備がうまくて堅実」と、評価したスカウトもいた。

 父は元近鉄内野手で現在はオリックス打撃投手の暁氏(47)。愛媛・帝京五高から1988年ドラフト6位で入団した父に続いて父子で指名されれば、16組目(18度目)になる。父の現役時代の映像は見たことがないという太田は「同じチームになったら、なったですね」と、特別な意識はない。

 暁氏も「恥ずかしさもあるので(笑い)。今いる選手たちと競争することになりますし、僕からは何とも…」と、複雑な心境を明かした。一方で「(プロに)行けるのであれば行かせてあげたい。小さい頃からの夢だったので」と親心をのぞかせた。小、中学生時代はキャッチボールをしたり、テレビ中継を見ながらプレーの基本を教えたという。

 高校通算31本塁打、50メートル走6秒2という走攻守の三拍子がそろった逸材。高校では“普通コース”に在籍して学業も優秀だ。得意科目は数学。「(根尾や小園に)負けていられないというのはある」。父が果たせなかったプロ初安打を記録するだけではなく、世代NO1の遊撃手を目指す。(伊井 亮一)

 ◆安部昌彦チェック

 報徳学園・小園との比較で表現すれば、小園は抜群の身体能力でファインプレーを見せますが、代わりにポカもやる。太田はスーパープレーはできないし、やろうとしないが、自分の守備範囲に飛んできた打球は絶対にエラーしない。西武の源田タイプです。プロの投手は内野手に美技はいらない、打ち取った打球を全部アウトにしてくれればいいと言います。プロでは味方の投手に好かれるでしょう。

 ◆太田 椋(おおた・りょう)2001年2月14日、大阪・羽曳野市生まれ。17歳。高鷲南小3年から軟式の「羽曳野レンジャーズ」で野球を始め、高鷲南中では「羽曳野ボーイズ」でプレーし、U15日本代表。天理高では1年春からベンチ入り。特技はけん玉。目標の選手はヤクルトの山田哲人。181センチ、78キロ。右投右打。

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