星稜前主将の竹谷理央、第3期黄金時代へ「全国制覇の力ある」

スポーツ報知
「星稜第3期黄金時代」到来の夢を後輩たちに託した竹谷前主将

 来春のセンバツ甲子園出場を確実としている星稜の前主将で、2016年夏、18年春・夏の3度甲子園に出場した竹谷理央(3年)が2日、「とやま・いしかわ報知」のインタビューに応じた。今夏の石川県大会決勝で大会新記録となる1試合4本塁打を放つなど、投打の主軸として活躍した前主将が、「狙って全国制覇」を目標に掲げる後輩たちに、「星稜第3期黄金時代」到来の夢を託した。(取材・構成=勝田 成紀)

 「全国制覇」を目指す新チームは、24年ぶりに秋の北信越王者となり、3季連続甲子園出場を確実とした。

 「非常にうれしいですね。3季連続甲子園を決めてくれたことは、次の代にもつながっていく。自分たちも『星稜の第3期黄金時代をつくる』ことを目標にしてきた。黄金時代というからには、やっぱり甲子園で優勝してほしいし、全国制覇できる力はあると思う」

 北信越大会では準決勝まで無失点と圧倒的な強さで勝ち上がり、啓新(福井)との決勝では延長15回引き分け(2△2)の再試合を7―4で制した。

 「力だけでいえば北信越ではダントツだったと思うが、決勝で勝つことの難しさを経験したはず。そこで、もうひとつ成長したと思う」

 決勝再試合前夜には、第1試合で6打数無安打に終わった1年生4番・内山壮真遊撃手に電話で助言。内山は再試合の7回に決勝の2点適時打を放った。竹谷の背番号1を継いだU18日本代表右腕・奥川恭伸(2年)にも期待を託した。

 「内山は練習から力が入っていた。バランス良くボールをとらえて脱力することと、『笑顔を忘れるなよ』と伝えた。奥川は最上級生になり、自覚も出てきた。『奥川が投げていれば安心』と思える、全国の舞台でも勝てるエースだと思う」

 新主将の山瀬慎之助捕手(2年)は、神宮大会の開会式(8日)で選手宣誓を行う。竹谷は山瀬から宣誓についても相談を受けた。

 「自分の伝えたいことを言え、と話した。山瀬が考えた文章が良かったので、後はしっかり宣誓することだけ。山瀬にはチーム全体から信頼されるようなキャプテンになってほしい」

 昨秋は北信越大会決勝で日本航空石川に0―10と完敗。しかし冬場の努力で急成長し、センバツでは県勢史上最高成績に並ぶ8強進出を果たした。

 「自分たちは秋の悔しさを力に変え、冬場に伸びたチーム。昨年と比べ、今の代の方が力は全然ある。周囲の期待が高くプレッシャーもあると思うが、『少しでも成長してやるぞ』という向上心を持つことと『楽しむ』ことを忘れず、自分たち以上に伸びて欲しい」

 竹谷は卒業後、首都圏の大学に進学する予定だ。4年後のプロ入りを見据え、今も日々練習を続けている。

 「目標はプロで活躍すること。大学でも活躍して、子どもたちに夢を与えられるような選手になれるよう、努力を重ねていきたいです」

 ◆星稜の「黄金時代」 「第1期黄金時代」は1970年代。72年夏に甲子園初出場を果たし、76年夏には4強進出。79年夏の3回戦では箕島(和歌山)と延長18回の球史に残る激闘(3●4)を繰り広げた。「第2期」は、90年代。91年夏に松井秀喜氏(44)を擁して4強入り。95年夏には県勢初の準優勝に輝いた。星稜高グラウンドの一塁側ベンチのホワイトボードには、「星稜第3期黄金時代をつくる」と書かれている。

 ◆竹谷 理央(たけたに・りお)2000年8月31日、石川・小松市生まれ。18歳。小2で野球を始める。星稜高では1年春の北信越大会から出場。高校通算31本塁打。父は米国人で、曽祖父は元米プロ野球選手。名前の由来は祖父のミドルネームのLEO(ラテン語でライオン)。将来の夢はメジャーリーガー。好きな球団は、父の故郷・ボストンが本拠地のレッドソックス。173センチ、78キロ。右投左打。家族は両親と姉、弟。

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