国士舘、10年ぶりV!センバツ当確…初回4点を死守、史上最低チーム

スポーツ報知
10年ぶり6度目の優勝で胴上げされる国士舘・永田監督

◆高校野球秋季東京大会 ▽決勝 国士舘4―3東海大菅生 ※国士舘は10年ぶり6度目の優勝(4日・神宮)

 東京大会では、国士舘が東海大菅生の猛追を振り切り、10年ぶり6度目の優勝。復帰3年目の名将・永田昌弘監督(60)は、自身9度目の甲子園となる来春センバツ出場を確実とした。また、秋季大会は全10地区が終了。第49回明治神宮大会(9日開幕)高校の部に出場する10校が出そろった。同大会優勝校の所属地区には、来春センバツの「明治神宮大会枠」が1つ与えられる。

 スター不在の雑草軍団が、泥臭く頂点まで駆け上がった。初回に4点を挙げながら、3回以降は1人の走者も出せず、東海大菅生打線に毎回の11安打を浴びる一方的な展開。それでも、何とか耐えた。永田監督は「国士舘史上最低のチームとしてスタートして、ここまで来られたのは奇跡に近いです」と声を上ずらせた。

 甲子園出場は09年春が最後。16年秋に、05年限りで勇退していた永田監督が復帰し、チームの再建を託された。「今の子はきつく怒れない」と嘆きながらも、名将のタクトは健在。この日も、東京NO1左腕・中村晃太朗(2年)の立ち上がりの悪さに目をつけ、「初回に命をかけて点を取ってこい!」と猛ゲキ。見事な先制攻撃を引き出した。

 ゲキを飛ばしただけじゃない。左打者には「カウントを取りに来る変化球を狙え」と指示。満塁の走者を一掃した7番・鎌田州真遊撃手(1年)は、初球の甘いスライダーを狙い打って右中間三塁打にした。過去9度出場した甲子園のうち、実に8度がセンバツ。「春の国士」が名将とともに復活を遂げた。(片岡 泰彦)

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