水戸一が作新と創立140周年記念試合 0-10も「一球入魂」の意地見せた

スポーツ報知
水戸一の創立140周年記念試合・作新学院戦で優秀選手賞に輝いた水戸一・蒲原選手(手前右)と作新学院・池田選手(同左)

 茨城県内屈指の進学校・水戸一が18日、2016年夏の甲子園優勝校・作新学院(栃木)を招いて、ノーブルホームスタジアム水戸で「創立140周年記念試合」に臨んだ。0-10で敗れながらも随所に好プレーを見せ、集まった1500人の観衆を沸かせた。

 開会式では同校OBの大井川和彦茨城県知事も登場。始球式では「一球入魂」でおなじみ「学生野球の父」こと早大野球部初代監督・飛田穂洲の本家代表・飛田憲生さんが第一投を披露した。試合は作新学院が強打で17安打10得点と圧倒し、2投手が6安打に抑え、ゼロ封リレーを見せた。それでも水戸一ナインは集中力を切らさず、ピンチではファインプレーも飛び出るなど、全力で9イニングを戦い抜いた。

 両校は同じく創立が明治10年代という伝統校。夏の甲子園出場を争った1953年の北関東大会1回戦でも対戦し、この時も作新学院が5-2で勝利している。水戸一の竹内達郎監督が筑波大のコーチ時代、同大の二塁手で主将だった作新学院・小針崇宏監督を指導したという縁もあり、記念試合が実現した。

 竹内監督は戦いを終え、「作新学院は強豪私学と言われているが、高校生らしい模範的なチーム。日本一になるべくしてなったチームで、小針監督には勉強させていただいた。今後は何とかこのようなチームから勝ち星を挙げられるよう、頑張っていきたい」と決意新た。蒲原大稀主将(2年)は「一人ひとりの技能はもちろんですが、攻守交代のダッシュだったりと、そういう面でも全国レベルのチームだと思った。見習わなくてはいけない」と力を込めた。

 小針監督は大勝にも「水戸一は選手一人ひとりが全力を出し切り、一生懸命に楽しくプレーしていた。竹内監督と戦えたことで自分自身、原点に立ち返りたいと思います」と相手をたたえた。

 水戸一の硬式野球部は、水戸中時代の1891年に創部。過去3度の甲子園出場歴がある。高校野球マニアでもある鈴木一弘校長は戦いを見守り「野球部員は『至誠一貫』『堅忍力行』という昔ながらの水戸一高生の良さを表現している。本校生の規範となる存在です」と健闘に敬意を表した。

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