星稜二枚看板の左腕・寺沢孝多、昨夏甲子園でのタイブレーク逆転サヨナラ満塁弾の借り返す

スポーツ報知
高校左腕NO1を目指す星稜・寺沢

 第91回センバツ高校野球(3月23日から12日間・甲子園)への2年連続13度目の出場が25日に決まった星稜(石川)が26日、初の全国制覇へ向けて練習をスタートさせた。エース右腕・奥川恭伸(2年)とともに3度目の聖地のマウンドに臨む左腕・寺沢孝多(2年)は「甲子園では『右は奥川、左は自分』と言われたい」と“高校NO1左腕”宣言。奥川と左右の二枚看板で石川県勢初の日本一に導く。

 寺沢の人懐っこい笑顔から、強気な言葉が飛び出した。「甲子園では『右は奥川、左は自分』と言われるように、もっと成長したい」。25日に最速153キロ左腕・及川雅貴(2年)を擁する横浜のセンバツ出場が決まった。最速150キロ右腕・奥川と及川の“怪物競演”に注目が集まるが、寺沢が負けじと“高校NO1左腕”に名乗りを上げた。

 直球は最速135キロ。スピードでは「向こう(及川)のライバルになれる位置に達していない」と自覚しているが、「球質とコントロールで相手をゼロに抑えられるピッチャーになりたい」と武器を生かす。昨秋の練習試合では11試合41回を投げ、四死球を与えなかった。奪った三振はわずか2つだが、防御率は0・66を誇る。

 林和成監督(43)は「直球も変化球も投げたい所に投げられるコントロールが持ち味。度胸も据わっている。奥川だけじゃなく、同じ学年にもう1人いい投手がいるんだという活躍をして欲しい」と期待している。

 経験値は誰にも負けない。星稜中ではエースとして全日本少年軟式大会(全軟)で日本一に輝いた。昨年のセンバツは「背番号18」で登板。「背番号11」で臨んだ昨夏の甲子園では、済美(愛媛)との2回戦でタイブレークの延長13回に大会史上初の逆転サヨナラ満塁本塁打を浴びた。「甲子園で味わった悔しさは、甲子園でしか返せない。センバツで優勝して借りを返したい」。サヨナラの場面は、「悔しさを忘れないため」週に一度は見返している。

 チームは新年1月6日の始動だったが、寺沢は元日から室内練習場に来て汗を流した。3度目の聖地のマウンドへ「奥川1人に頼っていては全国制覇も狙えない。自分も奥川と同じぐらい投げて、期待されている役割以上の仕事をしたい」と決意を新たにした。「右は奥川、左は寺沢」で、頂点を狙う。(勝田 成紀)

 ◆寺沢 孝多(てらさわ・こうた)2001年8月29日、金沢市生まれ。17歳。小学1年で伏見台ファイターズで野球を始め、星稜中3年時にエースとして全日本少年軟式大会(全軟)で優勝。星稜高では1年秋からベンチ入りし、17年春、18年夏の甲子園に出場。好きなプロ野球選手は今永昇太(DeNA)。将来の夢は警察官。176センチ、74キロ。左投左打。家族は両親と姉。

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ) 最速150キロの右腕。石川・宇ノ気中3年時に全国中学校軟式大会(全中)で優勝。星稜では1年春からベンチ入りし、17年春、18年夏に甲子園出場。18年夏には2年生でただ1人、U18日本代表に選出された。183センチ、84キロ。

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