龍谷大平安、全国最多41度目センバツは豊田&野沢のW左腕で挑む

スポーツ報知
ポーズを決める(左から)龍谷大平安・豊田祐輔、奥村真大、水谷祥平、野沢秀伍(カメラ・石田 順平)

 昨秋の近畿大会で優勝し、第91回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)に出場する龍谷大平安(京都)。全国最多を更新するセンバツ41度目出場の名門は、豊田祐輔と野沢秀伍(ともに2年)の両左腕を中心に、京都勢春夏通算200勝を通過点に5年ぶりの日本一を目指す。

 龍谷大平安は、昨秋の近畿大会で天理(奈良)、履正社(大阪)、明石商(兵庫)と各府県の1位校を立て続けに撃破した。13年ぶりとなる府県大会3位からの下克上Vで、3年ぶりの春切符をつかんだ。原動力となったのは、豊田と野沢の両左腕だ。近畿大会で背番号1を着けた豊田は「まず1つ勝って京都勢200勝。日本一を目標に練習している」と、2度目のセンバツ制覇を見据えた。

 豊田は天理との近畿大会1回戦で8回2/3を3失点にまとめた。背番号11だった野沢は、明石商との決勝で延長12回を1失点に抑えるなど、近畿大会は計26回で自責点は1。防御率0・35で優勝に大きく貢献した。明治神宮大会は初戦で、初出場Vの札幌大谷に5―6で敗れた。

 野沢は「まゆ毛が下がっていて目が細い」ため、原田英彦監督(58)から親しみを込めて「おじいちゃん」と呼ばれる。「タイプは違うけど、いいライバル」と、豊田と切磋琢磨(せっさたくま)している。昨夏の甲子園で野沢はベンチ入りしたが、豊田は外れた。「野沢が背番号1を取りにくると思うので、負けないように頑張りたい」と、スライダーとスプリットの習得に励んでいる。

 指揮官は「束にならないと勝てない。補欠の補欠をつくりたくなかった」と、現チームから初めて2人の学生コーチを置いた。大月塁斗が主に投手、白浜海大(ともに2年)が野手を管理し、パソコンなどを使って練習をサポートしている。「瞬時に自分たちで考えてプレーする」ことが大切と説き、「頓智頓才(とんちとんさい)」という言葉を繰り返し伝えている。

 年明けに京都勢200勝を目標を掲げた選手に、原田監督は「1回勝ったら200勝。それはあかんやろ。やるからには日本一に挑戦しようや」と、上方修正させた。「元気がある。こんなチームは好き」と期待。近畿王者は履正社、大阪桐蔭と2年続けて翌春センバツで決勝に進出しており、その再現を狙う。(伊井 亮一)

 ◆野沢 秀伍(のざわ・しゅうご)2001年9月13日、岐阜・可児市生まれ。17歳。南帷子(かたびら)小1年から「南帷子スポーツ少年団」で始め、西可児中では「美濃加茂シニア」でプレー。龍谷大平安では2年春からベンチ入り。最速138キロ。球種はスライダー、カーブ、チェンジアップ。174センチ、73キロ。左投左打。

 ◆豊田 祐輔(とよだ・ゆうすけ)2001年12月10日、京都市生まれ。17歳。嵯峨野小2年から「嵯峨野シルバー」で始め、蜂ケ岡中では軟式野球部に所属。龍谷大平安では2年春からベンチ入り。最速は136キロ。球種はカーブ、スライダー、スプリット。180センチ、79キロ。左投左打。

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