星稜の“大黒柱”浜塚光希マネジャー「全員で勝つ」ナイン支え目指す石川県勢初の全国制覇

スポーツ報知
笛とストップウォッチを手にナインに指示を送る浜塚

 第91回センバツ高校野球(3月23日から12日間、甲子園)に出場する星稜を支える“大黒柱”が、マネジャーの浜塚光希(はまづか・こうき、2年)だ。野球部員50人の中でただ1人のマネジャーとして、練習では林和成監督(43)の“右腕”となり、来客対応などにも奔走する。記録員としてベンチ入りが決まった初めての甲子園で、ナインとともに石川県勢初の全国制覇を目指す。

 星稜にとって、浜塚は欠かすことのできない“戦力”だ。授業が終わると練習場に一番乗りして、観覧席やベンチを掃除する。報道陣やスカウトなど数多く訪れる客に対しては、コーヒーのいれ方や、それぞれの好みも覚えた。「みんなから『ありがとう』と感謝の気持ちを言ってもらった時は、やりがいを感じます」。練習が始まると、監督さながらに笛で合図を送り、打撃投手やノッカーを務める。

 入学時は他の部員と同じく、選手としての甲子園出場を夢見ていた。緑丘中(珠洲市)時代は2番・セカンドでレギュラー。「レベルの高い野球を経験することで実力も上がるし、人間性も育つ」と星稜に進学した。しかし同級生には、中学時に日本一を経験したメンバーがずらり。すぐに「すごいレベルだな」と痛感した。

 17年秋の1年生大会で代走出場も、練習試合も含めて打席に立ったことも守備に就いたこともない。新チーム始動後、林和成監督(43)からマネジャー転身を打診された。両親からは「選手をサポートするのも大事なこと」と後押しされ、引き受けることを決断。指揮官も「一番の良さは明るいこと。誰とでも分け隔てなくコミュニケーションが取れる能力も高い。本当に良くやってくれている」と浜塚を信頼している。

 センバツでは、記録員としてベンチ入りすることが決まっている。優勝候補として注目されるナインの姿も、今は「うらやましいというより、格好いいなと思うし、活躍が誇らしい」と感じている。全国制覇へ向け「メンバーもメンバー外も関係なく、全員で勝つという思いで高め合って臨みたい」と意気込んだ浜塚は、迷うことなく言った。「星稜に来て、本当によかったです」―。(勝田 成紀)

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