元ロッテ・池野昌之さん、母校・富士宮北高の外部コーチ 裏方経験者ならではの指導法とは…

スポーツ報知
楽しそうにノックを打つ元ロッテの池野コーチ

 高校野球春季東部地区大会(3月27日開幕)の組み合わせが、このほど決まった。注目は、元ロッテ捕手で、OBの池野昌之さん(42)が昨年4月から外部コーチとして熱血指導している富士宮北だ。元プロによる自分で考えさせる指導法で、正捕手の土橋春斗(2年)は司令塔として急成長。チームは2年ぶりの県切符を狙っている。

 池野さんは現在、富士市内の会社に勤務しているため、母校のグラウンドに来られるのは週末限定だ。「楽しいです」と笑顔でノックバットを振り続けるその姿には、野球に関われる喜びがあふれている。

 1994年秋のドラフトで指名を受けてロッテ入り。00年に引退し、翌年からブルペン捕手を務め、09年に退団した。その後は都内で働いていたが、15年に帰郷。高校野球の試合を観戦に行った時、高校時代に指導を受けていた塩川光史監督(56)と再会し、アマチュアの講習を受けるよう勧められた。

 17年に学生野球の資格を回復。そして昨春に塩川監督が沼津商から宮北に戻ったことで、スタッフに加わった。「2軍のブルペン捕手はなんでもやるんですよ」と、打撃投手も難なくこなす。「コントロールがいいんです」とナインにも好評だ。

 元プロの指導を受け、正捕手の土橋も伸びている。ステップの仕方を丁寧に教わったことで、課題だった二塁送球が安定。練習試合の後には「バッテリーと池野さんでミーティングを開いて、配球を勉強しています」。塩川監督も「もともと肩はいいんですが、動きもよくなっています」と司令塔の成長を喜んでいる。

 エースの小野崎泰翔(2年)はコントロールで勝負する軟投派。捕手のリードの見せどころだ。「全部は教えません。選手自身に気づいてほしい」という池野さんの方針もあり、土橋も頭をフル回転させて配球を研究中。「うまく打たせて取りたい。そして県大会に行く」。昨秋は逃した切符を、知恵を絞って一丸でつかみ取る。(里見 祐司)

 ◆池野 昌之(いけの・まさゆき)1976年5月8日、熱海市生まれ。42歳。幼少時に富士宮市に移り、貴船小4年で野球を始めた。富士宮四中―富士宮北高。94年ドラフト7位でロッテ入りし、2000年に引退。180センチ、77キロ。右投右打。血液型A。独身。

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