札幌大谷、センバツ初出場Vへ3つの課題

スポーツ報知
出発前の新千歳空港で話を聞く札幌大谷ナイン(カメラ・清藤 駿太)

 第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕・甲子園)に初出場する札幌大谷が、「3つの課題」をクリアして初出場初優勝へ挑む。15日、1次合宿地の鹿児島県へ向けて新千歳空港から出発。船尾隆広監督(47)はチーム打撃、積極走塁、新戦力台頭の3点を合宿での強化ポイントに掲げた。昨秋の明治神宮大会に続く「秋・春連覇」へ、5泊6日の鹿児島合宿からVロードを歩む。

 札幌大谷が南国で改革を図る。昨秋の明治神宮大会以来、約3か月ぶりとなる土の上で実戦練習が出来る。船尾監督は「3か月間“野球”をやっていなかったようなものなので。課題がどれだけクリアになるか」と、センバツ制覇への3つの課題を挙げた。

 〈1〉チーム打撃 今合宿から金属バットを解禁する。明治神宮大会以降は金属バットを封印し、金属より100グラム軽い木製バットをひたすら振り込み、スイングスピード向上を図ってきた。その効果を生かすことが主な目的だが、船尾監督は金属解禁で大振りになることを懸念する。「外(屋外)に出ると(打球を)飛ばそうとするから」。飛ぶ金属バットでも、チーム打撃の意識を維持させる。

 〈2〉積極的走塁 明治神宮大会の課題が盗塁だった。4試合で盗塁はわずか4。初戦と決勝は0に終わり、船尾監督は「足は速いのに自信を持てない選手が多い」と言う。自身は社会人時代に100メートル11秒台の足で日本代表に登り詰めた。センバツともなればチャンスは少ないだけに、久しぶりの土の上で積極走塁の意識を植えつけていく。

 〈3〉新戦力台頭 明治神宮準々決勝の国士舘戦で、7回途中を3失点と力投した右腕・増田大貴(1年)が、右足首捻挫で合宿を回避し、再発防止も踏まえて治療に専念している。控え投手陣にはチャンス。船尾監督は「経験のない投手が本番で使えるかどうか」と、経験不足を補うほどの猛アピールを選手には期待する。新戦力が出てくれば、競争が激しくなり、チーム力はアップする。

 明治神宮大会から約4か月後のセンバツでは、決して同じ戦いはできない。中軸を担う石鳥亮中堅手(2年)は「久しぶりの土の上でどれだけ動けるか。中身の濃い合宿にしたい」と気を引き締める。鹿児島で緻密な野球に磨きを掛け、初出場Vへの足がかりとする。(清藤 駿太)

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