八戸学院光星、投手陣トリオ球速10キロアップでセンバツ制覇へ!二刀流・下山もレベルアップ

スポーツ報知
手を重ねて笑顔をみせる八戸学院光星の投手陣(左から)横山、後藤、山田

 センバツ高校野球(3月23日開幕、甲子園)の開幕まで1か月、出場校の調整も徐々にペースが上がってきた。降雪や寒さに負けず練習を積む東北地区の出場校を紹介する。八戸学院光星(青森)は仲井宗基監督(48)から“球速10キロアップ”をテーマに掲げられたエースの後藤丈海(たけみ、2年)ら投手陣が目標達成へ意気込み十分。チーム唯一の二刀流・下山昂大内野手兼投手(2年)は、投打ともにマイナーチェンジして聖地での活躍を誓った。

 最初は届かないと思えた“球速10キロアップ”が、現実味を帯びてきた。昨秋背番号1をつけた右腕の後藤は「(昨秋より)フォームも良くなっているし、いい球がきている」と手応えを口にする。右横手の山田怜卓(りょうた、2年)は「厳しくてもそれに近づいていくと思ってやってきた」、チーム唯一の左腕の横山海夏凪(みなぎ、2年)は「(達成へ)体を大きくしないといけないと、ウェートトレの意識は高くなった」と胸を張った。

 目標達成へ特別練習を実施した。冬場は全部員が同じ練習をこなすことが多いが、今年はそれに加えてポジション別の練習を導入。投手陣はメニューの種類を増やしたウェートトレーニングで下半身を強化し、ネットへの投球でフォームの確認などに取り組んだ。

 なかでも、投球フォームの修正は各自で図った。「下半身が回ってから上半身がついてくる感じ」(山田)、「テイクバックで腕の位置を変えた」(横山)。2月に入り、まだ全力ではないがブルペンで投げ込みも開始。山田は「速くなっている感覚はある」と話すなど、自分に合った投げ方を身につけ、球速アップにつなげようとしている。

 「10キロアップを掲げることで、意識高く練習できた。全員が完投能力をつけてくれればいい」と仲井監督は期待を寄せる。打線は昨秋公式戦チーム打率3割6分と強力なだけに、投手陣がそれぞれ球速アップできれば、悲願の日本一もグッと近づく。後藤は「投げるからには勝たないといけない。責任感をしっかり持って、勝利に貢献できるような投球をしたい」と力強く宣言した。聖地のマウンドで成果を発揮し、ひと味違う投手陣でセンバツを勝ち抜く。(有吉 広紀)

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 打っても投げてもチームを助ける。下山は昨秋を振り返り、「神宮ではふがいない投球をして、打撃も長打が少なかった」と反省ばかりが口に出た。昨秋のレギュラーでは唯一の青森県出身者で、三塁手兼投手の二刀流。昨秋は三塁打と本塁打は1本もなく、明治神宮大会準々決勝・高松商戦で先発したが、1回1/3を投げて6安打4失点でKOされるなど投打に納得のいく結果は残せなかった。

 レベルアップへ“変身中”だ。打撃では仲井監督の助言を受け、癖になっていたバットの動きなどタイミングの取り方を修正。また初めて投手陣に交じり、専門的なメニューを消化した。二刀流だけに「打撃も投球も練習はみんなの半分。倍やらないと追いつかない」と、午後9時の寮の点呼後も自主練習した。「自分がもっと投げられるようになったら、後藤や山田を温存できる。打撃でももっと貢献したい」。チームの勝利のため、甲子園でも二刀流でフル回転する。

 ◆下山 昂大(しもやま・こうだい)2001年7月27日、青森・弘前市生まれ。17歳。小1で野球を始め、6年時は楽天ジュニアでプレー。弘前四中では弘前白神リトルシニアに所属。八戸学院光星では1年秋からベンチ入り、昨夏甲子園も三塁のレギュラーで出場。173センチ、74キロ。右投右打。血液型A。家族は両親と兄、弟、祖母。

 ◆センバツまでの予定 2月中は合宿などは行わず、室内練習場でじっくりと腕を磨いている。3月11日に大阪へ出発し、12日の智弁学園(奈良)戦を皮切りに実戦を重ねる。練習試合の合間に練習日も設けて、「試合と練習を組み合わせてチームを作っていきたい」と仲井監督。練習試合は天理(奈良)や近大付(大阪)など、13試合を予定している。15日に組み合わせ抽選会が行われる。

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