市和歌山、料理男子・岩本とピアノ男子・米田の女子力高めバッテリーで初Vへ

スポーツ報知
甲子園での活躍を誓う市和歌山の(左から)米田航輝主将、柏山崇、岩本真之介、上原拓海

 第91回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)、3年ぶり6度目出場の市和歌山。中心はエース左腕の“料理男子”岩本真之介(1年)と“ピアノ男子”の主将・米田航輝捕手(2年)だ。“女子力高い男子”のバッテリーを中心に初優勝を目指す。

 市和歌山は昨秋の近畿大会準々決勝で、優勝した龍谷大平安に9回サヨナラ負けしたものの、近畿勢の最後の6番目のイスに滑り込んだ。米田主将は「出るからには優勝したい」と、1965年春の準Vを上回る目標を掲げた。

 半田真一監督(38)が「昨秋はバッテリーが頑張ってくれた」と称賛したように、軸は1年生左腕の岩本だ。昨秋の公式戦8試合中6試合で完投し、防御率1・62と安定していた。「テンポ、制球がいい。試合の流れをつくりやすい」と、指揮官の信頼も厚い。

 岩本は自宅が遠いため、学校近くで一人暮らしをしている。母親が週に3回は来てくれるが、不在のときは朝と晩や昼食の弁当、間食のおにぎりなどを自分で作る。レパートリーは約20種類で、牛丼やマーボー豆腐が得意な“料理男子”だ。「簡単で栄養が入っている料理を作るようにしている」と、自炊が多いにもかかわらず、体重は入学当初から10キロも増えた。

 リードする米田は“ピアノ男子”だ。趣味のピアノを幼稚園から高校入学前まで続け、映画「菊次郎の夏」のメインテーマ「Summer」(久石譲作曲)も弾ける。“市和歌山の殿馬”は「リズム感は野球に生きている」と、二塁までの送球タイムが1秒84という強肩で投手陣を支えている。

 1967年夏に準決勝進出して以降は、初戦または2回戦敗退が続いている。「甲子園でなかなか2勝できていないので2勝したい」と岩本。女子力高めのバッテリーを中心に壁を突破する。

(伊井 亮一)

〇…上原拓海外野手(1年)は、甲子園で智弁和歌山の兄・佑斗内野手(2年)との対決を夢見る。昨秋は5番を務め、ラッキーボーイ的な存在になった。現在は一塁や三塁にも挑戦中。同一道府県同士は決勝まで対戦がないが「小技が利く打撃をしたい」と、勝利に貢献することを誓った。

〇…4番の柏山崇(しゅう、2年)外野手は投げても岩本との二枚看板を形成する。昨夏は背番号1。昨秋は智弁和歌山との県大会決勝に先発して6回途中5失点で降板。チームは6―0から逆転負けした。その1登板に終わり「制球を安定させるために、走り込んで下半身の強化と技術練習をしている」と雪辱に燃える。半田監督は「柏山も十分、投げられるめどはついてきた。球の質は一番いい」と、最速140キロ超の右腕に期待を寄せている。

 ◆岩本 真之介(いわもと・しんのすけ)2002年5月16日、和歌山有田郡広川町生まれ。16歳。南広小1年から軟式の「南広少年野球クラブ」で始め、耐久中ではボーイズリーグの「和歌山湯浅ボーイズ」でプレー。市和歌山では1年春からベンチ入り。最速135キロ。球種はカーブ、スライダー、ツーシーム。180センチ、71キロ。左投左打。

 ◆米田 航輝(よねだ・こうき)2001年10月6日、大阪・岸和田市生まれ。17歳。城東小3年から軟式の「岸和田ストロングス」で野球を始め、山直中では貝塚シニアでプレー。市和歌山では1年秋からベンチ入り。171センチ、74キロ。右投右打。

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