札幌第一のエース・野島、投打に活躍「ここからが勝負」

スポーツ報知
3回3安打無失点と力投した札幌第一・野島丈(左)

◆練習試合 札幌第一4-3静清(8日、静岡県藤枝市)

 第91回センバツ高校野球大会(23日開幕・甲子園)に出場する札幌第一が、今季初戦を逆転勝ちで飾った。対外試合解禁となった8日、静清高(静岡)と練習試合を行い4―3で勝利。2点を追う7回から登板したエース右腕・野島丈(新3年)が3回無失点と好投し、打っては9回に逆転2点二塁打を放った。今春の対外試合初戦で先発を外れた悔しさを胸に、エースが投打で躍動した。

 打ってみろ、と言わんばかりに右腕を振り下ろした。1点リードの9回2死一塁。最後の打者を投ゴロに抑えると、札幌第一の野島は「初戦なので絶対に負けたくなかった」。7回から3番手で登板し3回3安打無失点。打っては1点差に追いついた9回1死二、三塁で右中間へ逆転の2点二塁打を放ち、投打で“ひとり舞台”を演じた。

 悔しさが右腕を発奮させた。今春の大事な初戦は三塁で先発起用。先発を任された左腕の畠山和明(新3年)とは、入学時から競い合ってきただけに、「悔しい思いはあった」。7回にはいきなり2死二、三塁のピンチを背負うも、野島は「最終的にゼロで抑えればいいだけ」。左横を襲うライナーに左手を懸命に伸ばし、投直で得点を許さなかった。

 昨秋から西武などで投手として活躍した新谷博氏(54)=現・尚美学園大女子野球部監督=が、臨時コーチとしてチームを指導。「相手を見下して投げろ」と、野島は投手としての極意を教わってきた。ポーカーフェースが売りだった右腕も、この日は雄たけびを上げるなど気迫の投球を披露。「投手は弱々しいとダメ。まだ始まったばかりなので、ここからが勝負」と野島。生まれ変わったエースが、チームを引っ張る。(清藤 駿太)

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