星稜、いきなり履正社と激突 山瀬慎之助主将「楽しみ」

スポーツ報知
センバツでの健闘を誓う(左から)星稜・山瀬主将、智弁和歌山・黒川史陽主将、履正社・野口主将

 いきなり優勝候補同士の激突だ。第91回センバツ高校野球大会(23日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内で行われ、2年連続13度目出場の星稜(石川)は、開幕初日の第3試合(15時半開始)で2014、17年大会準優勝の履正社(大阪)と対戦することが決まった。大会注目の最速150キロ右腕・奥川恭伸(3年)とバッテリーを組む山瀬慎之助主将(3年)は「目標は優勝。どのチームが相手でも勝てる練習をしてきた。新しい星稜を披露したい」と全国制覇への決意を口にした。

 抽選会場が、最もどよめいた瞬間だった。星稜・山瀬主将のくじ順は、Xブロック(トーナメント左側)の最後。1つ前の札幌大谷(北海道)の相手が米子東(鳥取)に決まった時点で、履正社との優勝候補対決が確定した。山瀬は「当たっちゃったなぁ、と思いました。いきなり強豪相手で。奥川にはちょっと怒られるかもしれないです。まあ、(残りくじで)自分が引いたわけじゃないので…」と思わず頭をかいた。

 「全国制覇」を目指す星稜ナインにとって、強豪との対戦は望むところでもある。「(開幕の)23日に合わせ、どのチームが相手でも勝てる練習をしてきた。強いチームと戦えることは悪くない。最初から最後まですべての力を出し切れる試合になる」と山瀬。昨夏の甲子園では、OBの松井秀喜氏(44)が始球式を務めた開幕戦で勝利した。「夏はこれ以上ないぐらい人が入っていたが、その方が力が出る。盛り上がりそうで楽しみです」。3季連続甲子園出場の星稜ナインの経験値は、4季ぶり出場の履正社をしのぐ。

 「日本一の捕手」を目指す山瀬にとっても、負けられない相手だ。履正社の主将・野口海音(みのん、3年)は、U15日本代表で主将も務めた大会屈指の捕手。「他のキャッチャーが注目されていると、メラメラ燃えてくる。すごくワクワクするし、攻守において負けられない」。抽選会前の朝食会場では、野口の姿を見つけて対面に座り「チームのことなどをいろいろ」語り合った。対戦決定後は「強いな」「人が集まるね」と静かな火花を散らした。

 出場32校の主将によるアンケートでは、山瀬を含む19校の主将が星稜を優勝候補に挙げた。昨年連覇を達成した大阪桐蔭の16校(36校中)も上回る高評価だった。林和成監督(43)は「過大評価ですかね。32校中5~10番目の実力だと選手たちには言っている。簡単に勝ち上がることができないのは重々承知している」と気を引き締めると、「2日前まではプレッシャーのかけらもなかったが、相手が決まった今は、正直申し上げて(プレッシャーが)あります」と打ち明けた。

 履正社撃破のカギを、山瀬は「投手陣が3点以内に抑えて、打撃陣が5点以上取ること」と話した。「奥川が本調子なら大量失点することはない。野手陣もはい上がるような気持ちで冬場に練習してきた。新しい星稜をしっかり披露したい」。開幕日の優勝候補対決を一里塚とし、県勢初の全国制覇へ駆け上がる。(勝田 成紀)

野球

×