星稜エース奥川、初戦「最高の相手」履正社戦は「ワクワクする」

スポーツ報知
キャッチボールをする星稜・奥川

  第91回センバツ高校野球大会(23日から12日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内で行われ、今秋ドラフト候補の奥川恭伸投手(3年)を擁する優勝候補の筆頭・星稜(石川)は、大会初日の第3試合で優勝候補の一角・履正社(大阪)との対戦が決定。奥川は「最高の相手と試合ができるのはワクワクする」と意気込んだ。

 プロ注目の右腕も、さすがに驚きのカードだった。いきなりの優勝候補同士の激突だ。金沢市内の星稜グラウンドで練習に参加した奥川。組み合わせは休み時間に知ったという。「山瀬(慎之助主将)がよく強いところを引いてくるので予想はしていたところもあったが『うそだろ!?』と思った」と正直な思いを吐露した。相手の主軸の井上広大外野手(3年)が対戦を熱望していることを聞くと「怖いな…」と苦笑いを浮かべた。

 ただ、相手に不足はない。強力打線を誇る履正社が相手だけに、エースの血が騒がないはずはない。「体が大きくて力のある打者がそろっている。最高の場所で最高の相手と試合ができるということで、ワクワクする気持ちが大きい」と奥川。初戦ということも、むしろプラスに捉えている。「両チーム同じ状態でガチンコでぶつかる本当の力比べ。冬の成長が出せればいいし、楽しみ」と心待ちにした。

 最速150キロを誇る右腕と強打の履正社の激突だけに、力対力の勝負を周囲は期待するだろう。ただ奥川は「力と力の勝負ではなく、今までの経験を生かして考えた投球ができれば」と冷静だ。「三振ばかり狙うと力んだり、疲労も出てくる。バッターの様子を見ながら臨機応変にやっていきたい」と変幻自在の投球術で相手打線を封じ込める構えだ。

 林和成監督(43)はエースについて「投げ込みはしてきた。かなりできている部分はある。残りの1週間でしっかり詰められればいい状態に持って行けると思う」と期待した。昨夏の甲子園同様に開幕日での試合。注目度も増す。奥川は「そういう(注目される)経験は初めてだし、ありがたいこと。でも自分は追われる立場とは思っていない。チャンレンジャー精神で絶対に受け身にならず向かっていく」と力を込めた。(三須 慶太)

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年4月16日、石川県かほく市生まれ。17歳。宇ノ気小2年で野球を始め、宇ノ気中3年時に全国中学校軟式大会優勝。星稜では1年春からベンチ入り。2年春夏の甲子園出場。昨年は同学年で唯一、U18日本代表入り。趣味は釣り。好きなプロ野球選手は田中将大(ヤンキース)。50メートル6秒5。遠投100メートル。183センチ、82キロ。右投右打。家族は両親と兄。

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