【翔んで球児】〈1〉札幌大谷・西原健太投手、精神面成長した“北のウルフ”

スポーツ報知
甲子園初出場する札幌大谷のエース・西原

 今年のセンバツは星稜・奥川、横浜・及川が注目を集めている。スポーツ報知では奥川、及川に代わって主役の座を狙う選手、奥川、及川を援護する選手を全5回で紹介する。1回目は札幌大谷・西原健太投手(3年)。

 最速142キロの“北のウルフ”が、強打者たちに牙をむく。初出場の札幌大谷・西原は昨秋の明治神宮大会決勝で、星稜打線相手に1安打1失点で完投勝利。創部10年目で初出場優勝を果たした。冬場には全体練習後、トレーニング施設に通い、さらなる肉体強化に着手した。「順調に来ているので楽しみ」と、晴れの舞台を待ち望んだ。

 昨夏までマウンド上での西原は“一匹オオカミ”だった。制球難に苦しみ四球を連発。マウンドから野手に声を掛けることもできなかった。04、05年夏の甲子園を連覇した駒大苫小牧の三塁手で五十嵐大部長(31)には「俺が三塁なら守りたくない」と言われたことで、自分中心ではなく、打者への意識を持つことで好投につなげた。

 球威には自信がある。小学6年のファイターズJr.からバッテリーを組む飯田柊哉捕手(3年)のミットの革や、ひもを何度も引き裂いてきた。「自分はコントロールが悪いから」と西原は苦笑いするが、184センチから投げ込む角度ある直球は威力十分だ。「先は見ていない。目の前の打者に集中するだけ」。鋭い眼光に体重93キロと筋肉質の肉体は、獲物を狙うオオカミそのもの。センバツで“ウルフフィーバー”を巻き起こす。(清藤 駿太)

 ◆札幌大谷、秋春連覇挑む 昨秋の明治神宮大会に続く快進撃を目指す。第2日に選手16人の米子東と対戦。明治神宮大会に各地区優勝校が参加するようになった00年度以降、秋春連覇したのは02年度の報徳学園のみ。「明治神宮大会優勝校は(翌年の)センバツで優勝できない」といわれるが、主将の飯田柊哉捕手(3年)は「まずは目の前の一戦一戦を戦いたい」と17年ぶりの秋春連覇を見据えた。

 ◆西原 健太(にしはら・けんた)2001年7月19日、北海道赤平市生まれ。17歳。赤平豊里小1年から野球を始め、札幌大谷中で硬式野球部に所属。投手として3年春の全国8強に導いた。高校では1年春から背番号18でベンチ入り。昨秋の明治神宮大会は初戦の龍谷大平安戦と決勝の星稜戦の2試合に先発し、初優勝に導いた。家族は両親と妹。184センチ、93キロ。右投右打。足のサイズは30センチ。

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