【センバツ】札幌大谷・太田、“シンカー解禁”3回0封に手応え

スポーツ報知
近江打線相手に3回1安打無失点と好投した札幌大谷・太田

◆練習試合 近江9―3札幌大谷(20日、近江高グラウンド)

 23日開幕の第91回選抜高校野球大会(甲子園)に初出場する札幌大谷は20日、昨夏甲子園8強の近江(滋賀)と、本番前最後の練習試合を行った。3―9で敗れるも先発したサイド右腕・太田流星(3年)が3回1安打無失点と好投。今冬に習得した新球・シンカーを解禁し、強力打線を手玉に取った。和歌山での第2次合宿からの練習試合は5試合で3勝1敗1分け。エース右腕・西原健太(3年)と二枚看板の一角が、盤石の仕上がりをみせた。

 国宝・彦根城が見下ろすマウンドで太田が仁王立ちした。近江打線を相手に3回1安打無失点。初回こそ1死一、二塁のピンチを背負うも「無失点なら負けない」。プロ注目の近江4番・有馬諒(3年)を変化球で完璧にタイミングを外し、中飛で切り抜けた。

 要所で新球がさえた。冬の間に習得したシンカーを今合宿の対外試合で解禁。左打者に対して外角に逃げるシンカーを見せ球に、最後は内角直球で詰まらせた。「シンカーを見せ球にできれば、次の直球が生きる」と、一定の手応えも口にした。

 昨秋公式戦10試合での被安打率4・37は出場32校トップ。最速は130キロにも満たないが、打者の手元で変化するクセ球で昨年11月の明治神宮大会初出場初優勝に貢献した。太田は「変化球の幅を広げたかった」と年明けから新球に着手。独自で考えた握りを試行錯誤しながら、本番前にようやく完成形に近づいた。

 2月の種子島合宿ではインフルエンザを発症。一時は調整不足を心配されたが、船尾隆広監督(47)は「太田が良かった。これでメドが立った」と“GOサイン”を出した。太田も「体力面は大丈夫。行ける所まで行きたい」。明治神宮大会に続く“天下取り”へ、臨戦態勢は整った。(清藤 駿太)

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