【センバツ】札幌大谷・太田、西原、平成最後の甲子園でON旋風だ

スポーツ報知
打撃練習中、外野の守備について笑顔を見せる札幌大谷・西原(左)と太田

 平成最後の第91回選抜高校野球大会が23日、甲子園球場で開幕した。きょう24日に米子東との初戦を迎える札幌大谷ナインは開会式に参加した後は、兵庫・西宮市内で約2時間の最終調整を行った。背番号17の変則サイド右腕・太田流星が「8番・投手」、142キロ右腕のエース・西原健太(ともに3年)が「4番・一塁」での先発出場が濃厚。いつも苦しい時に助け合ってきた札幌大谷のONコンビが、初陣1勝をロック“ON”する。

 穏やかな雰囲気に包まれていた。米子東との初陣を控えた最終調整。札幌大谷の“ONコンビ”に、いつも通りの笑顔があった。先発濃厚な太田が「人生で一番状態はいい。持ち味を全面に出していければ」と話せば、西原は「打撃の状態は上がってきた。積極的に打ちにいきたい」。2人の視線の先は、はっきりと「1勝」を捉えていた。

 2枚看板が「投打」で躍動する。昨秋まではリリーフが主だった太田が、今季は対外試合解禁後の3試合すべてで先発。計12回6安打15奪三振1失点と、抜群の安定感を誇ってきた。船尾隆広監督(47)は「初戦は緊張で思うように体は動かない。最初のアウトをどう取れるか」と、初めての甲子園だからこそ、安定感がある太田の起用を見据えた。

 エース・西原も投げるだけが、仕事ではないと理解している。投げない時は一塁を守り、打線の中軸を任されてきた。対外試合4試合で1本塁打を含む計13打数7安打3打点。打率5割3分8厘を誇る投打の大黒柱は「(相手左腕・森下は)制球がいいと聞いている。初回から太田を援護できれば」と、バットでも貢献する覚悟だ。

 これまでも、苦しい時に支え合ってきた。昨秋の全道準決勝、決勝はともに西原が3回までに4失点。救援した太田の粘投で逆転勝ちした。神宮大会は初戦から太田が3連投。疲労がピークで迎えた星稜との決勝は、西原が1失点完投した。指揮官は「いつも、2人で甲子園で勝つぞ!と言ってきた」。初めての聖地も2人の力が必要不可欠となる。

 センバツでの初出場初勝利となれば道勢9校目。2013年に21世紀枠で出場した遠軽以来、6年ぶりとなる。2人は異口同音に言う。「まずは1勝がしたい」。王、長島ならぬ、太田、西原の“ONコンビ”が、聖地1勝を狙いに定めた。(清藤 駿太)

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