【センバツ】掛布先輩、勝ちました…習志野、初回猛攻で初戦突破

スポーツ報知
初戦を突破して元気よくスタンドに駆け出す習志野ナイン(カメラ・渡辺 了文)

◆第91回センバツ高校野球大会第2日 1回戦 習志野8―2日章学園(24日・甲子園)

 10年ぶりに出場の習志野(千葉)が、初回7点の猛攻で日章学園(宮崎)を下し初戦を突破。数十年ぶりに生観戦したOBの阪神・掛布雅之オーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA、63)に白星をプレゼントした

 レジェンドの目の前で、習志野の背番号6の後継者が躍動した。72年夏に出場した掛布SEAと同じ2年生遊撃の9番・角田(かくた)勇斗が、反骨心をバットに込めた。3点リードの初回2死満塁で左越えに走者一掃の三塁打。吹奏楽応援の美爆音に乗り、歴代6位で千葉勢では春夏通じて初の初回7点のビッグイニングを創出し、優勝した75年夏からの春夏初戦8連勝を飾った。

 小学6年時にマリーンズジュニアに選ばれ、中学3年では佐倉シニアで全国制覇。高校1年春の関東大会で1番も担ったが、今大会前は不振。練習試合を含めて人生初の9番に「ショックはありました」。それでも大先輩の魂に救われた。掛布SEAからチームに差し入れされたTシャツは「憧球」の直筆プリントに代名詞の「31」入り。この日朝には小林徹監督(56)の助言で左足を動かしながら体重移動するフォームに変え、「つなぐ気持ちで打てた」と笑顔がはじけた。

 守っても甲子園の魔物を鎮めた。両校計10得点ながら、同7失策のため投手は全て自責ゼロ。珍妙な試合で、角田は5回にイレギュラーで高く弾んだゴロをさばくなど、西武・源田、広島ドラ1・小園の動画を参考にした好守を披露。掛布SEAも「足が動いている。いい守備だね」と後輩に目を細めた。

 第6日第3試合の2回戦では、初戦17K完封の星稜・奥川恭伸(3年)にぶつかる。怪物右腕の映像を見て「やべぇな」と漏らしたが、「追い込まれる前に積極的に打っていきたい」と角田。ミスタータイガースの庭で引き下がるわけにいかない。(山崎 智)

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