【センバツ】龍谷大平安、決めた!京都勢200勝 奥村が延長11回V打

スポーツ報知
延長で勝利し、笑顔でアルプススタンドに向かって駆け出す龍谷大平安ナイン(カメラ・岩下 翔太)

◆第91回センバツ高校野球大会第3日 1回戦 龍谷大平安2―0津田学園=延長11回=(25日・甲子園)

 龍谷大平安(京都)が1回戦で津田学園(三重)を延長11回の末に破り、京都勢の春夏通算200勝目を挙げた。延長11回1死一、二塁で、ヤクルト・奥村展征(のぶゆき)内野手(23)の弟、真大三塁手(2年)が決勝二塁打を放った。投げては、左腕の野沢秀伍(3年)が11回を4安打に抑えて完封。津田学園の好投手・前佑囲斗(ゆいと)との投手戦を制した。

 甲子園で力を発揮する奥村家のDNAが覚醒した。0―0の延長11回1死二塁、龍谷大平安の4番・水谷祥平が敬遠され、5番・奥村は「自分の方が下と見られて悔しかった。勝負してくれて『ありがとう!』という気持ちだった」。フルカウントからの直球を振り抜くと、打球は左翼フェンスを直撃。均衡を破る適時二塁打に右手を突き上げた。

 4回1死二、三塁で連続三振を喫するなど、9回までわずか2安打と苦戦。奥村も3打数無安打だったが、原田英彦監督(58)は確信していた。「絶対、打ちよるな、と思った。ああいうところで燃えるタイプ」。昨秋の近畿大会準々決勝・市和歌山戦でも9回にサヨナラ打を放った“持ってる男”を称賛した。

 8都府県目となる京都勢の春夏通算200勝目。平安にとっては、昨夏の同校の甲子園通算100勝に続く記念星となった。そのうち29勝の原田監督は「(200勝目を)平安が刻みたいという思いは、みんなが持っていた。区切りに名前が残ることはうれしい」と喜びをかみしめた。

 三塁側アルプス席では、奥村の兄もガッツポーズをした。24日のイースタン・リーグの西武戦(埼玉・戸田)後に一時帰省。「僕はいつも出塁する側なんで。弟の応援は、自分が出たときより緊張します」と勝負強さをたたえた。

 元衆院議員の祖父・展三さん(74)は甲賀(滋賀=現水口)の監督として1968年センバツに出場。現在は母校・甲西(滋賀)監督の父・伸一さん(50)は86年夏の甲子園で本塁打。日大山形出身の兄も13年夏に本塁打を放った。史上初の親子3人甲子園アーチにもう少しだったが、奥村は「あそこ(左翼ポール際)に入れても少しせこい。入るなら左中間か右中間。カッコ良く打ちたい」と言ってのけた。

 盛岡大付との2回戦は父も駆けつける予定。「兄の前で打てたのが一番うれしい。次はお父さんに活躍している姿を見てもらいたい」と気合をみなぎらせた。(伊井 亮一)

 ◆0―0での延長突入
 龍谷大平安・津田学園戦は両校無得点で延長戦に突入。18年3回戦の花巻東・彦根東戦以来33試合目。

 ◆延長戦完封
 龍谷大平安・野沢秀伍が延長11回完封勝ち。延長戦で完封したのは、昨年の花巻東・伊藤翼以来23人目。

 ◆京都勢が200勝
 龍谷大平安が勝ち、府勢春夏通算200勝で春80勝。ともに8都府県目。

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