結城海斗「甲子園よりアメリカ」ロイヤルズとマイナー契約

スポーツ報知
会見で投球フォームを披露する結城海斗(カメラ・渡辺 了文)

 米大リーグのロイヤルズとマイナー契約を結んだ結城海斗投手(16)=河南リトルシニア出身=が8日、大阪・河南町で会見した。日本人で初めて中学卒業から直接、MLB球団と契約。月給が十数万円の7年契約ながら、188センチの長身に器用さを備え、ロ軍・大屋博行国際スカウトから「ネクストダルビッシュ」と最大級の評価を得た。日本人最年少で大リーグ球団と契約した逸材は、5年後のメジャー昇格を目標に掲げた。

 16歳の瞳は輝いていた。「一番好きな番号」と、会見用の背番号18のユニホームを着た結城は「初めは甲子園を目指したんですけど、(昨夏に)シニア選抜で米国で野球をさせてもらったときに『甲子園よりアメリカで野球をしたい』という思いが強くなりました」と堂々と答えた。

 大阪桐蔭など約50校から誘われたが、「米国に留学して野球をしようと考えていた」ほど海外志向が強かった。大屋国際スカウトが河南リトルシニアのアドバイザー兼投手コーチをしていた縁があり、交渉解禁翌日の3日に初交渉。同日に入団を即決し、7日に7年のマイナー契約を結んだ。「(ロ軍は)若手選手の育成がすごくいいイメージ。早く米国に行って野球がしたい。少し不安もありますが、今は期待の方が大きい」。中学卒業から直接MLB球団と契約という、日本人初のケースを選択した。

 あこがれのカブス・ダルビッシュと同じ羽曳野市生まれで、出身チームも同じ。「ダルビッシュ2世」とも呼ばれた。キャッチボールで披露した投球フォームも本家そっくり。大屋氏は「魅力は変化球を巧みに投げられる器用さ。ダルビッシュより上。リトル・ダルビッシュ、ネクスト・ダルビッシュになれる」と絶賛した。

 MLBコミッショナー事務局の契約承認の確認が取れ次第、今月中にも渡航手続きをしてキャンプ地(アリゾナ州サプライズ)で育成プログラムに参加する。9~10月末まで教育リーグでプレーし、来年からはルーキーリーグに参戦する計画だ。大屋氏によれば月給は「十数万円。一番低い」。それでも、ホテル住まいで、週4日1時間の英会話レッスンに加え、来春からは専属の通訳がつく。

 現在、午前中は体幹を鍛えるためにジムに通い、夕方は河南シニアで練習している。「5、6年でメジャーに上がって、一流の打者と対戦したい」。異例の挑戦が幕を開ける。(伊井 亮一)

 ◆結城 海斗(ゆうき かいと)
 ★生まれとサイズ 2002年5月12日、大阪・羽曳野市生まれ。188センチ、73キロ。右投右打。50メートル走6秒1、遠投110メートル
 ★球歴 白鳥小1年時に軟式の「道明寺レッドタイガース」で野球を始める。2年から投手。3年から軟式の「羽曳野ブラックイーグルス」でプレーし、峰塚中では「河南リトルシニア」に所属。3年7月の全日本シニアリーグ代表に選ばれ、米イリノイ州で開催された国際野球トーナメント優勝
 ★持ち球 最速144キロの直球に縦、横のスライダー、カーブ、スプリット。「直球とスライダーに自信を持っている。そこは通用するんじゃないかな」
 ★英語 3か月前から毎日1時間勉強。「全然しゃべられません(笑い)」
 ★性格 クヨクヨしない。ポジティブシンキング
 ★趣味 寝ること
 ★好物 鶏肉
 ★家族 両親と弟

野球

×