ハーパー、親子の絆でホームランダービー初優勝

スポーツ報知

 オールスター前夜恒例の本塁打競争が16日(日本時間17日)、ワシントンのナショナルズ・パークで行われ、地元のスーパースター、ブライス・ハーパー外野手(25)が初優勝を果たした。

 劇的な猛追撃でホームランダービーを制した。優勝を決める決勝での19本目が、センター奥深く突き刺さると、千両役者はバットを高く放り投げ、人差し指を夜空に高く掲げた。4万3698人が詰めかけた超満員の地元ファンに向け「柵を越えなきゃいけないと言い聞かせて、それが出来た。ファンのお陰。君たちは最高だ。レッツゴー、ナショナルズ!」と叫んだ。

 第1ラウンドは残り26秒を残してフリーマンを、第2ラウンドは1分11秒を残してマンシーを続けて13本―12本で退け、順調に駒を進めた決勝戦。先行のシュワバーが18本打って重圧がかかる中、序盤30秒間は柵越えなし。休憩を要求した残り1分20秒で9本差を付けられていたが、残り50秒から8連発を含む計9本で、制限時間4分の終了寸前にタイにもちこむと、134メートル越えの特大アーチ2本打ってもらえる30秒間のボーナスタイムで振り切った。

 「休息をとって気合を入れ直してから、いい当たりが出始めた。サポートしてくれた皆に感謝している」

 右腕にサポーター、頭にバンダナという姿で登場し、星条旗がデザインされた特別バットで快音を連発した。見た目もド派手。飛ばすパワーもさることながら、左翼席にも放物線を描き、広角に量産する技術も披露した。加えて、土壇場での集中力と勝負強さこそが、スーパースターの証だろう。

 打撃投手をつとめたのは、製鉄業関係の仕事をしながら、幼い頃から息子をサポートしてきた父・ロンさん。「家族にとって最高の日。子どもの頃、毎日送り迎えをして、練習につきあってくれた父が、夜遅くまで仕事をしていたのを知っている。父がいなければ、今の僕はない」。地元開催球団の選手が優勝したのは史上3人目。2013年の本塁打競争では決勝で敗れただけに、5年ぶり出場での雪辱は、ハーパー親子の絆の勝利でもあった。(一村 順子通信員)

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