【MLB球宴】MVPのブレグマン、父の故郷での活躍に「最高に嬉しい」

スポーツ報知

◆MLBオールスター ナショナル・リーグ6―8アメリカン・リーグ=延長10回=(17日・ワシントン)

 【ワシントン=一村 順子】第89回オールスター戦が17日(日本時間18日)、ナショナルズの本拠ナショナルズ・パークで行われ、球宴記録を大幅に更新する両軍合計10本塁打が飛び交う打撃戦は、ア・リーグが延長10回8―6で制した。アは6連勝となって通算成績を44勝43敗2分けと勝ち越した。MVPは10回に勝ち越しアーチを放ったブレグマン(アストロズ)が受賞した。なお、公式戦は19日に1試合、20日から各球団が一斉に再開する。

 2年連続延長にもつれた試合を決めたのは、世界一軍団アストロズの1、2番コンビの連続パンチだった。5―5で迎えた延長10回。ナ・リーグ9番手のストリプリングから、先頭のブレグマンがまず左翼へ勝ち越しソロ。続いてスプリンガーが初球を右翼席へ。4万3843人の観衆が詰め掛けた球場は熱狂の坩堝(るつぼ)と化した。

 勝ち越しアーチでMVPに輝いたブレグマンは「ラインドライブを心がけた。こんな活躍ができて、最高に嬉しい。父の故郷での活躍はなおさら特別だ」と喜んだ。

 祖父がワシントン・セネタースの球団顧問を務めていた関係で、父はセネタースの監督を務めていた最後の4割打者、テッド・ウィリアムスの膝に乗るほど可愛がられたという。自宅には5歳の父と打撃の神様の写真があり、ブレグマンは「お前が次の4割打者だ」と言われて育った。球宴MVPがテッド・ウィリアム賞というのも何かの縁だろう。

 球宴初選出。前日のHRダービーにも初出場し、夢のような2日間を過ごした24歳は、「学ぶことを止めたら終わり。素晴らしい選手から吸収することが山ほどあった。別世界に住んでいるトラウト(エンゼルス)が、打席でどんなアプローチをしているのか、内角と外角にどう対応しているのか、話を聞くだけでも嬉しい」と目を輝かす。

 先制アーチのジャッジを口火に両軍合わせて球宴史上最多の10本塁打が乱れ飛んだ今球宴。過去3度あった1試合最多本塁打6本を大幅に記録を更新し、アーチ量産傾向を象徴する試合となり、ヒンチ監督は「今の流行りだね。一発で倒す業界になってきた。序盤は投手戦かと思ったら、最後はブルペンが足りるかなという試合になった」と振り返った。

 「いつもは順序が逆でスプリンガーの後ろを打つ。後半戦では、彼の後ろから2者連続を狙っていくよ」とグレグマン。西地区首位ターンし、1998~2000年、ヤンキース以来のWシリーズ連覇を狙うアストロズで、更にこの「1・2」パンチは続きそうだ。

 ○…スター選手が並ぶ球宴で伏兵・セグラが見せ場をつくった。2―2で迎えた8回1死一、二塁から代打で登場。ナ・リーグ七番手のヘイダーとの対決は、一塁ベンチ際にフライをあげたが一塁手のボットが落球。直後の95マイルの直球を捉え、左翼への勝ち越し3ランを放った。「サポートしてくれたみんなのために打った。ファンの思いに応えられて、本当に嬉しい」

 残り1枠をファン投票で決めるファイナルボートの候補者5人に選ばれ、ヤンキースのスタントンらを制して、6日前に出場を決めた。球団は、本拠地試合で「ゼグラ祭」を開催してファンに無料ピザを提供。

 ヘルナンデス投手は、「セグラを(オールスター戦に)送り込め」のプラカードを掲げて球場玄関に立つなど支援。なにより、西地区2位と2001年以来のプレーオフ進出を射程距離に前半戦を折り返したチームに、地元ファンの熱意と期待が高まっているからに他ならない。家族との海水浴をキャンセルして晴れ舞台に立ったセグラは「家族の前で最高の体験ができた」と喜んだ。

 ○…昨年のア・リーグ本塁打王ジャッジ(ヤンキース)が球宴初アーチを放ち試合の口火を切った。両軍無得点の2回。球宴6度目のサイ・ヤング賞3度受賞の先発シャーザーから、左翼ブルペンにたたき込んだ。打球は2番手での救援登板に備えて投球練習を行っていたチームメートのセベリーノががっちりキャッチ。「記念ボールをゲットできて良かった」と喜んだ。球宴初出場の昨年は、本塁打競争で優勝し話題をさらった26歳は、2年連続の大舞台でも存在感をみせつけた。

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