大谷、88日ぶり「緊張」の復帰登板も腰の張りで次回登板に不安

スポーツ報知

◆アストロズ―エンゼルス(2日・ヒューストン)

 【ヒューストン(米テキサス州)=小谷真弥】エンゼルスの大谷翔平投手(24)は2日(日本時間3日)、敵地のアストロズ戦で88日ぶりに先発登板。50~60球と球数制限された二刀流復帰戦は最速99・3マイル(約159・8キロ)をマークしたものの、2回1/3で2安打2失点。2敗目(4勝)を喫した。2回の守備中に打球を捕ろうとした際に右手薬指に直撃。さらに腰の張りを訴えて、次回登板へ不安を残した。

 スッキリ満点発進とはいかなかった。88日ぶりの二刀流復帰戦。大谷は視線を落としてベンチへ戻った。50~60球と球数が制限された中で2回1/3で2安打2失点。即結果を求めた中での2敗目に悔しさをにじませた。

 「自分の仕事はできなかった。自分で思っているよりも緊張していたと思う。完成度も含めて、それほど高いわけではなかった。もちろん100を求めていますけど、なかなか難しい」

 初回2死一、二塁のピンチでホワイトに投じた2球目で最速159・8キロをマーク。代名詞の剛速球は復活したかに見えた。しかし、復帰登板の緊張感からか1回と2回の投球間に腰の張りを覚え、2回先頭ではゴンザレスの投手強襲打に利き手の右手を出して捕ろうとした。打球が薬指付け根付近に直撃。サムアップポーズを作って続投したものの、3回はどの球種も5マイル(約8キロ)近く球速が落ち、150キロ台は1球もなかった。

 「今まで(手を)出したことがなかったので、自分でもビックリした。出さないという判断はあの一瞬では難しい。いつも万全にいけるわけではない。その中で抑えないといけなかった。(3回は球が)あまり走ってない感じはしていた」

 失点は3回無死一塁でスプリンガーに浴びた左越え2ランだけ。スライダーを軽く合わせただけで、球威は完全に失われていた。長期離脱の原因となった右肘を含め、大谷は「今のところは大きくは問題ない。明日にならないと張りとかは分からない」とした。2ケタ本塁打を放った選手による10先発&50投球回は1919年ベーブ・ルース(Rソックス)以来だったが、不安を残す投球となった。

 従来通りなら次回登板は中6日を空けた9日の敵地・ホワイトソックス戦。ソーシア監督は投球は問題ないとしたものの、4日の敵地・レンジャーズ戦以降の打者出場には「明日ちょっと様子を見て状況を確認してから」と話すにとどめた。

 ポストシーズン進出は絶望的。周囲には今季中の投手復帰に懐疑的な見方もあった。「シーズン中はできることをやるべき。今日の結果を受けて、また次回につなげられれば」。今季中の二刀流復活へ、この日の49球を無駄にしない。

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