とても故障者に思えない…今季投手絶望でも大谷翔平だから2発

スポーツ報知

◆レンジャーズ3-9エンゼルス(5日・アーリントン)

 【アーリントン(米テキサス州)=小谷真弥】エンゼルスの大谷翔平投手(24)は5日(日本時間6日)、敵地・レンジャーズ戦で「3番・指名打者」でフル出場。メジャー2度目の1試合2本塁打を放ち、日本人1年目では歴代1位、06年の城島健司(マリナーズ)に並ぶ18本塁打をマークした。試合前には右肘の靱帯(じんたい)損傷が判明。手術を受ける可能性が出る中、驚異的な大活躍を見せた。

 とても故障者に思えない。大谷が驚異の2発をかっ飛ばした。5点リードの5回無死で2番手右腕・ビベンズダークスから2試合連続の右越え17号ソロ。一夜で1年目の松井秀喜(ヤンキース)を超えると、8回1死一塁では4番手右腕・バトラーから右越えへダメ押し18号2ランを描いた。8月3日インディアンス戦以来、出場24試合ぶりの1試合2発。06年の城島健司(マリナーズ)が持つ日本人1年目の最多本塁打記録に並んだ。

 衝撃的なバッドニュースを吹き飛ばした。2日のアストロズ戦で右肘故障から88日ぶりに先発復帰したが、試合前にテキサス州アーリントンの医療施設でMRI検査を受け、右肘靱帯(じんたい)を損傷していることが判明。6月に故障者リスト入りした際とは別の新たな損傷箇所で、医師から靱帯再建術(トミー・ジョン手術)を勧められた。手術するかは未定。たとえ手術をしなくても投手・大谷は今季絶望となった。

 全米でも速報で伝えられたが、24歳は発表から2時間後の試合に3番スタメン出場した。特に驚異的だったのが1本目の“ゴジラ超え弾”。打球速度107マイル(約172・2キロ)。通常、本塁打になりにくい打球角度45度で放たれた最高到達点は50・29メートル。最高部の高さ56・19メートルの東京ドームなら天井に直撃していてもおかしくない“特大放物線”だった。試合後は球団の意向で取材対応はなかったが、同僚らと談笑する表情は明るい。「お疲れっした!」。報道陣にも頭を下げた。

 3回1死の三塁内野安打、7回無死の中前打と合わせて今季2度目の4安打3打点。そして4得点1盗塁。渡米後では最高の奮闘ぶりだった。ソーシア監督は「あんなニュースがあったのに。本当に野球が大好きなんだと感じた。これ以上のものはない。メンタルのタフさ、フィジカルの強さは感じていたが、今日は本当に集中していた。素晴らしいし、ビックリした」と目を丸くした。

 エプラーGMは今後も二刀流を貫く方針を示したものの、周囲では打者専念論が再燃しかねない大活躍。手負いでも結果を残す。逆境の中でプロフェッショナルぶりを見せつけた。

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