マー、12勝目!20回連続0封で9月3戦3勝、一発勝負のWCG先発アピール

スポーツ報知

◆ヤンキース11―0ブルージェイズ(14日・ニューヨーク)

 【ニューヨーク=一村順子】ヤンキースの田中将大投手(29)が14日(日本時間15日)、本拠のブルージェイズ戦で6回を投げて4安打無失点で12勝目を挙げメジャー通算64勝。マリナーズ退団が決まった、楽天時代の先輩・岩隈久志投手(37)を抜き、日本人単独3位となった。これで9月に入り3試合、21回で1失点で全勝。連続無失点は20に伸ばす安定感で、1試合のワイルドカードゲーム(WCG)での先発へ猛アピールとなった。

 田中が完全に試合を支配した。散発4安打。5回に1死一、二塁のピンチを迎えるが、マキニー、グリエルを連続三振に料理。相手に三塁を踏ませない6回無失点、8奪三振の完璧な90球だった。

 「これと言って良かったボールはなく、ゲームの中で修正を重ねて、探り探りという感じで投げたのがほとんど。その中で失点せず抑えられたのは良かった」

 淡々と試合を振り返ったが、ブーン監督は「全ての球種がシャープだった。思い通りに投げているようにみえた」と絶賛した。

 9月は3戦全勝の連勝モード。従来の武器であるスプリット&スライダーの精度が高いのに加え、球威ある直球で相手のバットを押し込めている。今月1日のタイガース戦の初回に1点を失った後、マリナーズ戦は8回無失点。これで連続イニング無失点は「20」になり、米メディアでは、1試合で運命が決まるWCGに、安定感を増す田中を推す声が高まっている。

 レギュラーシーズンの9月に大量失点を許し、昨年のポストシーズン(PS)は先発ローテ4番手で迎えた。それでも2勝(1敗)、20回で2失点と活躍しただけに実績はある。世界一に向けた長い旅に向け揺るがない信条をこう、表現した。

 「(昨年は)故障があるわけでもないのに、登板を飛ばされて悔しい思いはあった。シーズンを左右されるワンゲームで選ばれることはもちろん光栄だし、投手なら皆、そういうゲームで投げたいと思う。だからといって、選ばれるために頑張るわけじゃない。自分でコントロールできることじゃないので。目の前の課題に向き合い続けて、ファイトし続けて、乗り越えていく、その繰り返しだから」

 これでメジャー通算64勝。岩隈を一気に抜き去り、野茂英雄、黒田博樹に続く日本人単独3位にメジャー5年目で躍り出た。「(勝ち星は)一気に2、3個増えるわけじゃないので、コツコツとやってこれたなとは思います」。チームは残り15試合。未経験のワールドシリーズ、そして世界一へ―。田中の好不調がチーム浮沈のカギを握っている。

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