エンゼルス大谷翔平、20号 目撃イチローも絶賛「ホームランバッターでしょうね」

スポーツ報知

◆エンゼルス5―6マリナーズ(15日・アナハイム)

 【アナハイム(米カリフォルニア州)=小谷真弥、穐村賢】エンゼルスの大谷翔平投手(24)が15日(日本時間16日)、本拠地のマリナーズ戦に「4番・DH」で先発出場し、初回に20号中越えソロを放った。日本人では、10年にエンゼルス・松井秀喜が21本塁打を放って以来2人目、1年目では初の大台到達だ。憧れのマリナーズ・イチロー会長付特別補佐、MVP2度の同僚、マイク・トラウト外野手も絶賛。残り13試合で日本ハム時代のシーズン自己最多22本塁打(16年)の更新も見えてきた。

 高く遠く。大谷のバットから閃光(せんこう)が走った。憧れのイチローが見守る“御前試合”。オールスター戦以降13本塁打を放ち、日本人では10年の松井秀喜以来2人目のシーズン20発に達した。

 大谷「実力より本塁打が出ている部分があると思うが、最近はいい打席が増えている。前半よりも。1打席でも多く作っていければ」

 節目の一発はトラウトの先制2ランが飛び出した直後の初回1死。右腕E・ラミレスの甘いツーシームを逃さなかった。中堅フェンスを越える8試合ぶりアーチは右肘故障後11戦5発だ。

 大谷「(故障は)正直、そこまでメンタル的に落ちることはなかった。むしろ周りの人が心配してくれていた」

 練習では誰よりも豪快に飛ばす。大谷は「ホームランバッターとは思っていない。いろいろなやり方で得点に絡んでいけるように。その手段として数多く長打を打てれば」と言うが、周りは違う。まずは大谷弾を初めて見たイチローだ。メジャー挑戦前から投手より打者として評価していた。

 イチロー「『初めてホームランバッターが日本人として来たな』という感じはします。今日だってちょっと“詰まり”だと思うよ。あれがセンターへ行くというのはホームランバッターでしょうね、初めての」

 日本のレジェンドに続いたのは世界一選手と評されるM・トラウトだ。「20発は驚かない。パワーがあるのは一目瞭然」と言う。むしろ右肘手術を勧められても屈しない精神力を絶賛した。

 トラウト「手術を勧められた時点で今季終了もなり得たが、シーズンを尻上がりで終えようと励んでいる。彼がやっていることはすごいよ。気持ちの切り替えが早い。このリーグでは、そのメンタルがないとできない。常に向上心を持ち、質問が絶えない。一緒にプレーして楽しいよ」

 シーズンで20本塁打&10登板&8盗塁以上(大谷は現在9盗塁)はメジャー初の快挙。20本塁打&10登板&3勝を記録したのも1919年のベーブ・ルース(29本塁打、17登板、9勝)以来、99年ぶり2人目だ。

 大谷「単純なパワーも球の捉え方もそう。確実に上がっているかと。打ち取られている打席でも少しの進歩が確実な手応えになって次の打席に生かされている」

 大谷の進化はとどまるところを知らない。

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