【ヒルマニア】イエリチ強打で地味ブルワーズ11連勝 13日からリーグV決定S

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 「ヒルマニア」は、スポーツ報知でメジャーリーグを担当し続けて40年の蛭間豊章記者が、マニアックなメジャーネタをお送りします。

 ジーターさん、ありがとう。ブルワーズファンの間でこんな言葉が飛びかっているという。もちろん、それは元ヤンキースの名遊撃手で現在マーリンズの共同オーナーのD・ジーター氏が、C・イエリチ外野手をブ軍に放出した事を指している。

 前半戦打率2割9分2厘、11本塁打、43打点の左打ち26歳が、後半戦は3割6分7厘、25本、67打点の大暴れでチームの終盤戦の逆転優勝に大きく貢献。ファンだけでなくチーム内でも評価が高く、ロッキーズに3連勝して優勝決定シリーズ進出を決めた7日(日本時間8日)、ナインは「MVP、MVP」の大合唱でシャンパンを浴びせかけた。

 別表は公式戦とPS合計で1998年ヤンキース以来となる11連勝中のチームとイエリチの成績。計19打点を挙げているが、四球も18個選んで出塁率5割6分4厘と、相手投手の逃げのピッチングの中で強打が止まらない。移籍チームの印象を「このチームは大家族のようで居心地がいい」と話した26歳。カリフォルニア生まれで母方の祖父は日本人。マイアミでプレーしていた男が中西部でドイツ移民が多いミルウォーキーでスーパーヒーローになった。

 チームを評すうえでもう一人、欠かせないのが、48歳になった今でも少年のような顔立ちのC・カウンセル監督。万能内野手としてメジャーで1624試合に出場、97年マーリンズ、01年Dバックスでは世界一に貢献したバイプレーヤーだった。現役最後はブルワーズでユニホームを脱いだが、実は父親がブルワーズの球団職員だった関係でミルウォーキーのあるウィスコンシン州に育った。ブルワーズが唯一ワールドシリーズに出場した82年には球場にも入り浸っていたという。

 9月24日、大事なカージナルス戦では救援左腕D・ジェニングスを先発させ、斬り込み隊長カーペンターをアウトにしただけで交代という奇策で勝利に導いた。地区シリーズでも早い交代で強打のロッキーズをわずか2失点に抑えた指揮官。少年時代に見たワールドシリーズの舞台をミルウォーキーに持ってこられるだろうか注目だ。

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