ソト、天井直撃の右飛「打った瞬間は入ったと思ったが…」3戦連発は幻に

スポーツ報知
4回1死一、二塁、ソトの放った打球が天井を直撃するも右飛となった(カメラ・酒井 悠一)

◆日米野球第3戦 日本3―7全米(11日・東京ドーム)

 怪物軍団がついに眠りから覚めた。日米野球第3戦は、開幕2連敗を喫したMLB選抜が先発全員安打となる12安打を放ち、初勝利。同点で迎えた5回には、モリーナの3ランなどで4点を勝ち越した。2試合連続本塁打を放っていたソトは、4回に天井を直撃する不運な右飛。8日の巨人とのエキシビションゲームでも天井直撃の適時打を放っており、4戦で2本の“天井打”と驚異のパワーを見せつけた。

 会心の一発…となるはずだった。ソトは何度も東京Dの右翼天井を恨めしそうに見つめた。マッティングリー監督が審判団に抗議したものの、打球が天井に当たった場合はインプレーとするグラウンドルールにより、判定は右飛のまま。「打った瞬間は入ったと思ったが…」。3試合連続弾は未遂に終わり、苦笑いを浮かべるしかなかった。

 またも規格外のパワーを見せつけた。1点リードの4回1死一、二塁。多和田の初球、141キロの直球を捉えた。打球の勢い、角度はサク越えに十分。試合前には「感じはいいですね。タイミングも取れてきている」と日本人投手攻略に自信を見せていたが、高さ61・69メートルの東京Dの天井は低すぎた。8日の巨人戦でも天井直撃の適時打を放っており、4日間で2本の天井直撃打。「残念だけど、残りの打席を楽しめた」。7回2死で右翼線二塁打を放ち、日米野球での連続試合安打を3に伸ばした。

 1年目の今季は116試合に出場し、打率2割9分2厘、22本塁打、70打点。アクーニャ(ブレーブス)とともにナ・リーグ新人王候補に挙げられる逸材だが、なぜか珍記録に恵まれている。5月15日にサスペンデッドとなり、6月18日に再開されたヤンキース戦で同点の6回1死一塁から決勝2ラン。5月20日にメジャーデビューしたが、この日の本塁打は5月15日と記録されるため「メジャーデビュー前のメジャー初アーチ」として記録された。「自分でもいい成績を残せたと思う。いいシーズンだった」と振り返ったが、このパワーがあるからこその珍記録だ。

 ア新人王候補に挙げられるエンゼルス・大谷とはまだ対戦がない。それでも、ソトは「打って良し、投げて良しの素晴らしい選手。残念なことにけがをしているので、早く治してもらいたい。いつか対戦したい」とエールを送る。「自分がやることは変わらない。一生懸命プレーするだけだ」。今後のメジャーを力強く引っ張ってくれそうだ。(小谷 真弥)

 ◆東京Dの天井直撃伝説

 ▽1990年6月6日 近鉄・ブライアントが、日本ハム戦で放った打球が中堅上のスピーカーに直撃。推定170メートルの認定本塁打となった。

 ▽2002年7月18日 巨人・松井が横浜戦で放った打球が、高さ55メートルの天井の隙間に入り、特別ルールで二塁打に。同球場初の珍事に松井は「天井に捕られた。打った瞬間、天井に当たると思った。天井の隙間を狙って打った。家に帰ったらVTRを見て堪能しよう」と上機嫌。なお打球は2日後に回収され、直筆サインを入れて野球体育博物館(現野球殿堂博物館)に寄贈された。

 ▽2016年11月13日 日本代表強化試合、オランダ戦の7回先頭。代打で登場した日本ハム・大谷の放った打球が、天井の隙間に入って消えた。推定170メートルともいわれた打球は認定二塁打に。天井に打球が消えたのは02年の巨人・松井以来2度目だった。大谷は「松井さん以来? それは知らなかったです」。

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