【大谷翔平、二刀流の真実】〈4〉盗塁増トリプルスリー狙える

スポーツ報知

 大谷の連載「二刀流の真実」は走塁編。投打だけでなく、積極的な走塁で今季10盗塁をマークした快足は全米でも度々話題となった。走者・大谷へ寄せるチームの信頼、打者一本となる来季への期待値を探った。

 投打だけではない。大谷は足でも魅了した。9月10日の本拠地・レンジャーズ戦。4回先頭で右中間二塁打で出塁し、1死後に三塁へ走った。一度はアウトと判定されたが、「チャレンジ」でセーフに。「何事もトライしないと良かった、悪かったが見えてこない。何が悪かったかを次につなげたい」と日米通じて初の三盗をマークした。

 日本ハム時代は盗塁が制限され、16年の7盗塁がシーズン最多。5年間で通算13盗塁だったが、積極的な走塁を好むソーシア監督の下で“開花”した。9月29日のアスレチックス戦でも2回1死一、二塁からメジャー平均の秒速8・23メートルを上回る8・75メートルの快足で今季2度目の三盗を決めて10盗塁。1シーズンで10登板&20本塁打&10盗塁はメジャー初。日本人の20発&10盗塁も初めてだ。

 エ軍移籍後は対戦カードごとに投手の球が本塁に到達する時間、捕手の二塁送球に要する時間などを確認。チームでは各選手が試合中にポケットに仕込んだデータを確認している。歴代1位の通算1406盗塁を誇るR・ヘンダーソン氏が「素晴らしい走塁能力を持ち、積極的に走れている。投手の動きをよく読み、スタートを切れている」と舌を巻けば、エベル三塁コーチは「頭がよく、素質があり、スタートの切り方もいい。盗塁能力だけを取ってみたらメジャーでもトップレベルの選手」と絶大な信頼を寄せている。

 右肘手術を受け、来季は打者一本での活躍が期待される。ロッキーズ、メッツに所属した13年に46盗塁を決めて盗塁王に輝いたE・ヤング外野手は「スピードがあるタイプには見えないが、実際は速い。投げてよし、打ってよしのオールラウンド選手だ。来年は20から30盗塁はいけるんじゃないか? 打者として毎日試合に出れば、それぐらいはいける」と予想した。日本人初のトリプル・スリーも夢物語ではなさそうだ。(特別取材班)

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