ヤンキース・田中将大、キャンプイン「しかるべき時に力を出せる準備をする」

スポーツ報知

 【タンパ(米フロリダ州)=一村 順子】ヤンキースの田中将大投手(30)が14日(日本時間15日)、キャンプイン。キャッチボールや守備練習など初日のメニューを全て軽快にこなした右腕は、記者会見で日米メディアに対応。自身初の豪州自主トレ(1月)の成果に、「例年より仕上がりが早い」と手応えを語る一方、「その時、その時、ベストを尽くし、しかるべき時に備えてやっていく」と、メジャー6年目のシーズンを俯瞰的に見据えた。

 30歳を迎えた右腕の言葉から、落ち着いた意気込みが伝わってきた。「チームのユニフォームを着ると、やはり緊張感が違う。体に掛かるストレスは独特のものがある。始まるなという感じですね、月並みですが」

 日米プロ13年目。温暖な気候を求めて初めて豪州自主トレを行った。年明けからゴールドコーストで約2週間のトレーニングを行った結果、「例年より仕上がりは早く、調整は順調に来ている」と確かな手応えを得てタンパ入りした。

 会見では、チームの10年ぶりWシリーズ制覇への思い、宿敵レッドソックスへの意識、数字の目標など質問が飛んだが、その答えは、どこか超越していた。

 「抱負ですか? うーん。そんなの分かってりゃ、簡単にクリアできるんですよ。何が起きるかわからないし、だから、その時の判断や、それまでに準備したものが出せるか(が大事になる)。しかるべき時に力を出せるように準備する、それしかないと思うんです」

 「200イニング登板」「6年連続2桁勝利」など達成が期待される数字の目標についても「結局、やらなきゃいけないことをやっておくことが大事。そしたら、そこにたどり着けると思う」と俯瞰的な心境を語った。過度な力みも、思い入れも、過信もない。メジャー1年目の2014年、右肘靭帯部分損傷を手術回避で乗り越えた。開幕投手で炎上し、被本塁打に苦しんだ2年前のスランプからも蘇った。苦悩と向き合う中で、毎年2桁勝利を挙げてきたからこその境地だろう。「自分のボールの精度を高めたいし、メカニックの部分も、ああしたい、こうしたいというのはある」

 投手として、更なる向上を目指す意欲と情熱は今年も変わらない。メジャー6年目のシーズンが始まった。

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