イチローとの交換要員だったファーカー、脳内出血から奇跡の復活なるか

スポーツ報知
ダニー・ファーカー投手

 ホワイトソックス時代の昨年4月、致死レベルの脳内出血から奇跡的に一命を取り留めたダニー・ファーカー投手(31)が、今季ヤンキースとマイナー契約を結び、フロリダ州タンパでのキャンプに招待選手として参加。15日(日本時間16日)に当地で記者会見に臨み、復活を目指す心境をメディアに語った。

 「This is cool!」と、切り出した右腕は、「何故だかわからない。10ヶ月前のことを思うと、ここにいることに感謝の気持ちしかない」としみじみ語った。

 昨年4月20日のアストロズ戦で中継ぎ登板し、ベンチに戻ったところで起きた動脈瘤破裂による脳内出血。病院搬送、手術で一命と取り留めた。以後、復活を信じてトレーニングを続け、マイナー契約したヤ軍のキャンプに参加。この日は、ブルペンで変化球を含め27球を投げ、「次の目標は、打者と対戦するシート打撃で投げること。自分のボールを確かめていきたい」と意気込んだ。

 ブーン監督も「彼の存在感はすでにチームに好影響を与えているし、この先、きっとチームを助ける日が来ると思っている」と期待を寄せる。

 実は、このファーカー、2012年7月にイチローがマリナーズからヤンキースにトレード移籍した際、交換要員としてマ軍に移籍した経歴の持ち主でもある。瀕死の重体からメジャー復帰を目指す偉大なる挑戦。2008年ドラフト10巡目でブルージェイズに指名され、ヤンキースは5球団目。10勝15敗、18セーブ、45ホールドの記録を積み上げてきた。明日17日に32歳となる右腕は、メジャー通算254試合目のマウンドを、その目に見据えている。(タンパ=一村 順子通信員)

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