米コミッショナーがピッチクロック・ルールを試験的導入へ 投球間隔を20秒以内

スポーツ報知
会見したマンフレッド・コミッショナー

 大リーグのマンフレッド・コミッショナーは17日(日本時間18日)、米フロリダ州のウエストパームビーチで記者会見を行い、今季からの公式戦での導入準備に備え、フロリダ、アリゾナ両州で今週末から始まるオープン戦から、投球間隔を20秒以内とする「ピッチクロック・ルール」を試験的に導入すると発表した。マイナーでは2015年から導入されているが、今季の公式戦での導入については未定。

  大リーグがピッチカウント導入に動き出した。試合時間の短縮を推し進める同コミッショナーは2017年オフからピッチクロックを提案してきた。選手会側は、ピッチクロックなしでも時間短縮できると難色を示した。昨年はFA市場の冷え込みもあり、機構側は導入を見送り、代わりにコーチや捕手がマウンドに行く回数を6回に制限。9イニングの平均試合時間が2時間55分以内なら来年も導入なしとしていたが、昨年は前年度より5分短縮の3時間。2時間55分には届かなかった。

 同コミッショナーは「詳細は後日発表するが、まずは選手と審判に慣れてもらうため」と説明。罰則については「寛大な警告になる」と、公式戦での導入を見込んでの試運転の形となる。オープン戦を開催する全球場で秒を刻む時計がお目見えする方向だ。ただ現場には寝耳に水だった様子だった。この日はフロリダをキャンプ地とする球団のGM、監督が当地でメディア対応。アストロズのヒンチ監督は「今ここで聞くまで知らなかった」と驚けば、メッツのキャラウェイ監督は「投手によっては、影響があるかもしれない。選手と話し合う。ただ、ルールがそうなれば、それに従ってプレーするしかない」と対応を急ぐ構えをみせた。

 昨年、大リーグの年間総観客動員は6967万1272人。2013年から6年連続で減少。ピークの2007年からは1000万人近く落ち込んだ。機構側は、試合の長時間化がファン離れの原因のひとつとみている一方で、テクノロジーを駆使した戦略が年々複雑化しており、現場との折り合いが難しくなっている。

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