大谷、リハビリも「楽しい」心に余裕 「さあ、ブルペン行きますか」

スポーツ報知
映像収録を終えてグラウンドを歩く大谷

 昨年10月に右肘のトミー・ジョン手術を受けたエンゼルス・大谷翔平選手(24)は復帰へ向けたリハビリを続けている。キャンプが始まってからも制限が多く、ストレスもたまるはずだが、21日(日本時間22日)には報道陣に珍しく冗談を言うなど、表情は明るい。メジャー担当の安藤宏太記者が大谷の胸の内に迫った。

 大谷の弾んだ声に、気温10度を切るアリゾナにいながら、心が温まった。練習を終えた大谷が、クラブハウスでユニホームのズボンをはき、再びグラウンドへ歩き出した。「さあ、ブルペン行きますか」。不敵な笑みを浮かべた。向かったのはシーズン中、試合のイニング間に流れる映像の撮影なのだが、大谷はブルペンで投球練習すると見せかけて、報道陣を驚かそうとしたのだ。我々は、その撮影がある旨を事前に知らされていたので、その冗談にあまり驚かなかったことは、大谷には内緒だ。

 今季は打撃に専念する大谷。素振りを始めて10日以上がたった。開幕まで約1か月。焦りもあるはずだが、クラブハウスでは水原通訳や同僚と絡んで、笑顔が絶えない。報道陣にジョークを振りまく心の余裕すら見せる。私はメジャー取材1年目。昨年までの大谷の取材経験はないが、意外に感じた。

 多くの先輩記者から聞いたのは「大谷は野球が大好き」。だから、投げず、打てずの生活は苦しいはず。そう思っていた。だが3~4日に1度行われる囲み取材では「何でも楽しいです。リハビリの最初から考えると、やれることも増えたのでリハビリメニューは面白いと思います」と前向きなコメントばかり出てくる。

 リハビリすらも喜びに変えて、真摯(しんし)に取り組む。だからこれまでもいくつも不可能を可能にしてきたのだと感じた。オースマス監督は近日中のティー打撃再開を示唆。順調にステップを踏んでいる。大谷が大きくなって、グラウンドに帰ってくる可能性を感じた。

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