“大谷ルール”は大谷らに逆風? 大リーグが20年から「二刀流」を規定

スポーツ報知
寒そうにしながらグラウンドを歩く大谷(カメラ・安藤 宏太)

 米大リーグ機構は14日(日本時間15日)、これまで選手会と協議してきた新たなルールを発表した。来季(2020年)からは、投手に最低3人の投球が義務づけられてワンポイントが起用が出来なくなる、メジャー枠が25人から26人に拡大されるなどの新ルールが加わり、「二刀流」についても規定された。

 これまでは投手と野手は便宜上の登録に使われていたもので、分け隔てなく投手が打席に立つことも、野手がマウンドに上がる事も可能だった。だからこそ昨季の大谷は4勝、22本塁打で新人王に輝いた。日本ではあまりなじみがないが、米国では点差がついた試合で、投手を温存するために野手がマウンドに上がる事も、それほど珍しいことではない。

 選手枠が26人となる来季からはその内訳も投手、野手がそれぞれ13と規定される見込み。それに伴って大谷のような二刀流を示す「Two Way Player」も規定された。その定義が、〈1〉投手で20イニング以上投げる、〈2〉野手として20試合以上に先発し、3打席以上立つ。さらに野手は6点差、もしくは延長になった場合を除いて登板出来ないとされた。

 つまり、現時点の発表では、開幕時から「Two Way Player」として登録することは出来ないことになる。今季は右肘手術の影響で打者に専念するが、来季は二刀流復帰を予定する見込みの大谷も20年開幕の登録は投手でスタート。投手登録で打席に立つことは可能なため、規定に到達した瞬間に「Two Way Player」の登録となる。

 大谷が「Two Way Player」となると、エンゼルスの投手枠「13」は1つ空き、野手は1人減らして、投手を1人補充することが出来る。投手力が課題のエンゼルスにとっては有利に働くようにも見える。

 だがエンゼルスではカワート、ウォルシュも二刀流に挑戦中。2人とも元々は野手で、プロ入り後に投手を始め、中継ぎでの起用が見込まれる。野手として登録すると原則的に投手で登板は出来ず、投手登録をして野手中心の出場をしても「Two Way Player」となるためには20イニングの投球が必要。中継ぎで20回を投げるには1か月以上を要するし、それまでは投手の枠を1つ使わなければいけないことになる。

 大谷のような先発兼指名打者であれば、順調にいけば1か月以内に「Two Way Player」となる。二刀流選手の起用法に一定の制限がついたことで、これまでのように自由自在に二刀流選手をつかいこなすことは難しくなる可能性もありそうだ。

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