米震撼イチローのレーザービーム〈2〉“名付け親”リズさんパーフェクト送球に「ワオ」

2019年3月17日12時0分  スポーツ報知
  • レーザービームの“名付け親”のリック・リズさん

 01年4月11日、敵地オークランドでのアスレチックス戦でイチローが披露した「レーザービーム」。その試合、シアトル向けのラジオ中継でリック・リズさんはこのように実況した。

 状況は8回1死一塁。

 「ゴロの打球。ライト前ヒット。(一塁走者の)テレンス・ロングは三塁へ向かう」

 「イチローが投げた。すごい送球だ!」

 「(ロングを)刺した。レーザービームのようなイチローのストライク送球が三塁のデビッド・ベル(のグラブ)に返ってきた」

 「これ以上の送球があるでしょうか。パーフェクト、パーフェクト、まさにパーフェクトなイチローの送球」

 「ワオという以外、言葉が出てきません」と絶叫して、臨場感たっぷりにリスナーに伝えた。

 野球中継で、送球に対してレーザービームという言葉が使われたのは、これが初めてではないだろうか。この試合でテレビ中継を担当していた殿堂入りアナウンサー、デーブ・ニーハウスさんは「レーザービーム」という言葉は使っていない。リズさんは本紙の取材にこう答えた。

 「(使ったことは)ない。あのプレーを見てとっさに思いついた言葉だった。マリナーズにはケン・グリフィー、ジェイ・ビューナーと、いい肩を持った外野手がいて、何度も走者を刺したものだが、それらとは違った。自分の目には、まさにレーザー光線のように高速のストレートで『ビュー』と飛ぶような送球だったから、パッと頭に浮かんだままを口にしたんだ。あの送球はマリナーズの歴史の中で最も偉大なスロー(送球)だと思っている」

 イチローの完璧送球は、スポーツケーブル局ESPNが毎日メジャーの試合をダイジェストで放送する人気番組「ベースボール・トゥナイト」を通じて全米に流された。そこには、リズさんの実況が付けられていた。

 翌日、オークランドから遠く離れた東海岸のボストン。Rソックスのジミー・ウィリアムス監督は、オリオールズ戦前、報道陣とのやり取りで「昨日のあの返球を見たかい。びっくりしたよ」と話題に取り上げた。そして「彼の名前は? もう一度名前を教えてくれ」と日本人記者に尋ねたという。

 「レーザービーム」が全米に広がっていった。(構成・蛭間 豊章)

 ◆リック・リズ(Rick Rizzs)1953年、米イリノイ州ブルーアイランド生まれ。サザンイリノイ大では野球部。卒業後はパドレス傘下2Aの実況アナウンサーとして採用。83年にマリナーズの専属アナに抜てきされた。92年から3年間、タイガースの実況を務めていたが95年にマ軍に復帰。ホームランが飛び出す度に言い放つ「グッバイ・ベースボール」は、有名だ。

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