2004年、松井秀喜の豪快130メートル弾…過去のMLB東京D開幕プレーバック〈2〉

スポーツ報知
ゴジラ凱旋。松井は第2戦に特大アーチを放った(2004年3月31日)

◆2004年3月30日 ヤンキース3-8デビルレイズ 3月31日 ヤンキース12ー1デビルレイズ(東京ドーム)

 20、21日の両日、東京Dでアスレチックス・マリナーズのメジャー開幕シリーズが行われる。日本で開催されるのは2000年のメッツ・カブス戦から通算5度目。過去4度は、いずれもメジャーファンが大集合、超満員の中で繰り広げられた熱戦を振り返ってみよう。(構成・蛭間 豊章)

 ヤンキース対デビルレイズというア・リーグ東地区同士の対戦だったが、前年に巨人からFAでヤンキース入りした松井秀喜外野手の凱旋試合の様相となった。また、スター軍団のヤ軍ということもあって当時、最高2万5000円の席からチケットが売り切れるなど異常人気で東京Dが熱気に包まれた。

 巨人とのオープン戦で高橋尚から3ランを放った松井は、開幕戦で2番に座り初打席で右中間二塁打を放ったが、この1安打だけ。チームも先発のムシーナが6回、クルーズに同点ソロを浴びた後3連続二塁打されるなど失点を重ね3―8で敗れた。

 しかし、翌日の第2戦はヤ軍打線が4本塁打を放って大爆発した。試合を決めたのはやはり松井。3回に同点タイムリー、2点リードの5回1死一塁で右中間席に推定飛距離130メートルの大アーチを叩き込んだ。松井は「歓声がすごすぎてあんまり覚えていないけど、あのベース一周は最高に幸せだった」と感激の面持ちだった。実際、打った瞬間の東京Dでは、地鳴りのような歓声がゴジラの一発を祝福。また、ニューヨークの地元紙も東京発で、この凱旋アーチを大きく報じていた。

 ◆03年開催予定も1週間前に中止

 日本開幕戦。実は2003年にもマリナーズ・アスレチックス戦が予定されていた。ところが、イラク情勢緊迫でブッシュ大統領が開催1週間前に中止を決定。「日本で自分のパフォーマンスを見せる」と楽しみにしていたイチローは、中止が決まると「自分たちの身の危険や国民の命に関わることですから」と言葉少なだった。この代替試合として翌年、ヤンキース・デビルレイズ戦が行われた。

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