イチロー、22日こそ一撃 外野手史上最年長45歳149日開幕先発も無安打

スポーツ報知
4回、一度守備位置についた後に交代を告げられたイチローはゴードン(手前)にハグで迎えられる(カメラ・泉 貫太)

◆MLB日本開幕戦 アスレチックス7―9マリナーズ(20日・東京ドーム)

 米マリナーズのイチロー外野手(45)が20日、東京ドームで開催されたアスレチックスとの今季開幕戦に「9番・右翼」で先発し、日本で7年ぶりに公式戦出場した。結果は二飛、四球で1打数無安打。4回の守備からベンチに退くと、サービス監督らナインと抱き合う熱いシーンもあった。試合はマ軍が計5発の空中戦を制して逆転勝利。イチローは21日の2戦目もベンチ入りする予定だ。

 メジャー19年目、日米28年目の母国開幕戦は突然のエンドロールを迎えた。4回の守りで、イチローは一人右翼に向かった後、交代を告げられた。「いやいや、(試合前に2打席と伝えられ)知ってましたよ」。ベンチ前に出迎えたナイン、サービス監督と抱き合い、菊池と言葉を交わした。アスレチックスのベンチも総立ちで拍手した。

 指揮官が「彼に対して敬意を表したかった」と感動シーンを演出。それに対し、イチローは「あれ、日本のファンの人はねえ。どうなんだろう。米国ではよくやるけど、ちょっと戸惑っただろうね」。4万5787人の拍手に包まれ、瞳は潤んでいるかのようだった。

 「9番 ライト イチロー 背番号51」。スタメン発表で無数のフラッシュを浴び、45歳149日が三塁ベンチを駆け出した。ロッテにも在籍したJ・フランコの45歳227日(一塁)に次ぐ、野手ではメジャー歴代2番目の年長開幕スタメン。外野手としては最年長となるイチロー劇場が幕を開けた。

 2点を追う3回無死一塁。初球に昨季12勝右腕・ファイアーズの暴投で無死二塁となり、続く高め144キロを二飛。1点リードの4回無死一塁では2番手右腕・ヘンドリックスに対し、右足自打球に顔をしかめながら、フルカウントから8球目を一塁線に痛烈なファウル。直後の四球で開幕戦ではヤンキース時代の13年以来の出塁となった。

 公式戦出場は昨年5月2日のアスレチックス戦以来、日本では12年のメジャー開幕シリーズ以来2547日ぶり。「特別な開幕です。やっぱり、ちょっと違うわね。見ているファンの人たちも、何かちょっとこう違う雰囲気に感じましたね。ジャイアンツと(プレシーズンゲームを)やった時は、全体的に練習っぽい雰囲気がありましたが、今日は全くなかったです」と本気モードに突入した。

 練習からエリア51を沸かせた。右翼守備で味方の打球を背面キャッチ。右翼席の歓声に応え、白球を投げ入れた。フリー打撃では26スイングでサク越え7本。中堅右、右翼席上段と特大アーチを描いた。

 招待選手として今春キャンプに参加し、試合前にメジャー契約を結んだ。米国でのオープン戦から17、18日の巨人戦(東京D)まで24打席連続無安打。7年前に4安打を放った来日開幕戦。45歳となった今回は1打数無安打1四球だった。

 マ軍公式ツイッターはイチローの連続写真とともに「Unforgettable.」(忘れられない)という意味深なコメントを掲載した。泣いても、笑っても、日本での雄姿は21日のアスレチックス戦(東京D)で見納め必至だ。指揮官は「先発かどうか分からないが明日(21日)は出ます」と明かし、米シアトルでの28日(日本時間29日)の地元開幕戦(Rソックス戦)に向けては「一日一日を見ながら」と語るにとどめた。メジャー現役最多3089安打のバットが色あせることはない。(山崎 智)

 ◆実働年数 イチローは日本で9シーズン、メジャーで19シーズン目で、トータル28年となった。メジャーの実働年数最長記録は、ノーラン・ライアン投手とキャップ・アンソン内野手の27年。日本では中島聡捕手と、工藤公康、山本昌両投手の29年で、来年もイチローがプレーすれば肩を並べる。

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