レーザービームの名付け親、リズさんがイチローに「ありがとう」

スポーツ報知
イチローの「レーザービーム」の名付け親のリック・リズさん

 01年のレーザービームの名付け親、球団アナウンサーのリック・リズさんが、現役引退を発表したイチローに「ありがとう」という言葉を贈った。マリナーズでの計14シーズンを見守り続けたアナウンサーがイチローに感謝をした。

優れたキャリアの終焉 彼には「ありがとう」と言うしかない。素晴らしい記録を我々に、そしてマリナーズの歴史に加わってくれて感謝している。

 引退の知らせを聞いて、優れたキャリアの終焉(しゅうえん)だと思った。彼は殿堂入りをするキャリアを作り上げた。最初に米国に来た時はどういう選手なのかわからなかったが、野球界の歴史に残る偉大な選手の一人になった。その上、彼は長い年月にわたってプレーを続けた。

 それを続けるということは、野球の試合というものに対して非常に強いパッション(情熱)が必要で、しかも自分自身を信じ続けなければならない。彼はそのすべてを持ってプレーを続け、球史に残る選手になった。その素晴らしいキャリアに終止符を打つということは、非常に驚くべきことだ。私はこのニュースを聞いて大変悲しいが、イチローがメジャーに来て、これほど素晴らしいキャリアを築いたということに対し心から祝福したい。

 本塁打の打球をつかみ捕るなど、彼の守備は言うまでもなくエキサイティングだが、私はあれほどコンスタントにバットの芯にボールを当てることができたことが信じられない。スポーツの中で最も難しいことの一つは、丸いボールをバットに当てるということだ。イチローはそれを何年にもわたってコンスタントに打ち続けた。当てるような打ち方ではなければ、1年に20~30本の本塁打も打つことができたはず。優れていたのは違う方向へ打ち返したりできることだ。彼の「眼と手のコーディネーション(連係)」は素晴らしかったので、私にとってはそこが彼の一番の魅力だ。

 私とは英語で会話する。ユーモアのセンス抜群なんだ。ただ、彼は自分が意図することが英語に翻訳されることで変わってしまう、何か大事なことが抜け落ちてしまうことが嫌で、英語が上手なのにもかかわらず、英語では記者の質問に答えず通訳を介す。プレーだけではなく、その面でも彼は本当にプロフェッショナルだった。(談)

 ◆リック・リズ(Rick Rizzs)1953年、米イリノイ州生まれ。83年にマリナーズのアナウンサーとして抜てきされた。3年間、タイガースの実況を務めていたが、95年にマ軍に復帰。ホームランが飛び出すたびに言い放つ「グッバイ・ベースボール」は、有名だ。

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