【楽天】ドラ4渡辺佑樹、山梨盛り上げる「欲しいのは勝利だけ」

スポーツ報知
母校・富士学苑高のグラウンドでプロ1年目の目標を「挑戦」と書いた渡辺

 富士学苑高でエース左腕として活躍し、ドラフト4位で楽天に入団した渡辺佑樹投手(22)=富士吉田市出身、横浜商大4年=は6日までに、9日からの新人合同自主トレを前に「欲しいのは勝利だけ」と話し、1年目からの活躍を誓った。

 霊峰・富士の麓から渡辺が日本一を目指す。5日の入寮まで、母校・富士学苑のグラウンドでトレーニングを重ねた。

 「新人合同自主トレに一番いい状態で臨めるよう体を動かしてきました」

 プロ入りが決まり、環境は一変した。富士吉田に戻ると、母校の仲間を始め、たくさんの祝福を受けた。

 「実感がようやく湧いてきました(笑い)。周囲の人が喜んでいる姿を見ると、プロ野球選手になったすごさと喜びを感じます」

 中学までは軟式野球で外野手。高い能力を発揮していたが、強くなるより、みんなと一緒にプレーするのが楽しかった。

 転機となったのは、横浜商大野球部・佐々木正雄監督(69)との出会い。マウンドでも冷静に投げられる性格を『長所』と捉えていたが、指揮官には「勝利への気持ちが足りない」と映った。生活面から厳しく鍛えられ、マウンドでも1球にこだわる闘志を学んだ。3年春のリーグ戦では3勝を挙げ、ベストナインを獲得。スカウトが訪れるようになり、初めてプロを意識した。

 「本当に厳しい監督で、めちゃめちゃ怒られましたが、もっと勝ちたいと思うようになりました。監督に会わなかったら、今の自分はない。だからこそ恩返しできればと思います」

 契約金4000万円、年俸1000万円(推定)で合意。プロ入りを果たした。

 「何を買うの? ってすごい聞かれるんですが、特にないんです。休日も部屋で漫画を読んだり、動画を見たりするくらいで、あまりお金を使わないタイプ」

 “無欲の男”に、あえて欲しいものを聞いてみた。しばらく考えた末に出た答えは―。

 「勝利が欲しい。気持ちの入った投球で、どんな状況でマウンドに上がっても、勝てる投球をしたい」

1日でも早く1軍投げたい プロ1年目の目標を「挑戦」と書いた。

 「1日でも早く、1軍のマウンドで投げたいです。合同自主トレから、しっかりアピールしていきたい」

 山梨で唯一のプロ選手として、注目される中で新たな世界に飛び込む。

 「山梨の方にもぜひ、(楽天の本拠地)仙台に来てほしい。様々なことに挑み続け、勝ち続ける投手になりたいです」(大津 紀子)

 ◆渡辺 佑樹(わたなべ・ゆうき)1995年11月8日、富士吉田市生まれ。22歳。下吉田東小2年時に富士見町少年野球で競技を始め、下吉田中を経て富士学苑高に進み1年時からベンチ入り。横浜商大では1年春から登板し、3年時の春季リーグではベストナインに選出。182センチ、83キロ。左投左打。遠投110メートル。家族は両親と姉。

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