【独占激白!松井秀喜】〈2〉ヤンキースGM付アドバイザーの仕事とは

2018年1月17日16時0分  スポーツ報知
  • ヤンキー・スタジアム前で写真撮影に応じる松井秀喜氏(カメラ・楢崎 豊)

 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(43)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が史上最年少43歳7か月で野球殿堂入りを果たした。日米通算507本塁打を放った松井氏は、史上最多336票を集め、野茂英雄氏の45歳4か月を抜いて、史上最年少で選出された(プレーヤー表彰)。スポーツ報知では、松井氏の殿堂入りを記念して、「独占激白!松井秀喜」を連載する。

 松井氏は引退後、日本では古巣・巨人などでキャンプの臨時コーチを務め、野球教室を開催しているが、生活の拠点は米ニューヨークに置く。15年にヤンキースのGM付アドバイザーに就任した。

 いま、何をやっているのか。

 「肩書はヤンキースのGM付アドバイザーです。仕事の内容は簡単に言うと、マイナーの巡回コーチとマイナーの選手の状況をGMに報告することです。見ているのは、2Aのトレントンと3Aのスクラントンがほとんどで、6月以降は1Aのスタテンアイランドでも指導しています」

 米フロリダ州タンパでのスプリングトレーニングを終えるとすぐに、マイナーのシーズンが始まる。松井氏はホームゲーム開催時に、自らの運転で球場へ向かっている。3Aの球場は片道2時間半もかかる。

 「各チームの打撃コーチと意見交換しています。この選手はどうしたらいいと思う?とか。基本的には打撃コーチとの連携です」

感覚同じと思わず 指導法や意見が多いと選手に迷いが生まれるため、監督ではなく一人のコーチとのコミュニケーションを大切にしているという。もちろん、指導は英語だ。同職に就いて3年が経過したが、教えることへの難しさを感じていた。

 「自分と同じ感覚だと思って話すと失敗します。選手たちは自分とは違う環境、違う感覚で野球をやってきたので。形で野球を教えるのは簡単。ですが、そのいい形にするためにはどうしたらいいのか。それをどういう言葉で伝えればいいのか、それがすごく難しいです」

 今のはいい。今のは違う。そう言うだけなら簡単だ。だが、松井氏が求めるのはどうすれば「いい形」を持続させられるか。分かりやすく導いてあげられるか、だ。

 「選手が、自分自身でよくなっていると感じていなければ意味がありません。選手自身がいい感覚をつかみ、なおかつ、見た目もいい形にしなくていけません。形だけマネできても、そこに選手自身のよくなっている感覚がないとダメです」

 分かりやすく言うと。

 「たとえば、みんな、落合(博満)さんみたいに、神主打法をやって打てるかといったら、打てませんよね。人の感覚の中にはなかなか入ることはできません。コーチは選手自身がいい感覚を体感するまで伝え続けなくてはいけないので、根気がいる仕事です」

 指導法を模索する日々が続いている。教えることへの手応えは出てきたのだろうか。

 「まだ手応えはないですが、選手を見極める目は何となく養われている気がします。チームにはいろんな選手がいて、練習や試合でのプレーを見れば、その選手の個性や思考が見えてきます。私が指導法で、一番シンプルで選手に伝えやすいと感じているのは『メジャーのいい選手はこういうふうに打っている』と写真や映像を『ほら』と見せること。簡単で、選手も聞いてくれます。メジャーのいい選手と言うと反応してくれますが、そこからの指導がまた難しいです」=つづく=(取材・構成=鈴村 雄一郎、楢崎 豊)

 ◆松井 秀喜(まつい・ひでき)1974年6月12日、石川県生まれ。43歳。星稜高では甲子園4度出場し高校通算60発。92年ドラフト1位で巨人入団。MVP3度、首位打者1度、本塁打王、打点王各3度獲得。2003年にFAでヤンキース移籍。09年ワールドシリーズMVP。エンゼルス、アスレチックス、レイズを経て12年限りで現役引退。13年に国民栄誉賞受賞。15年にヤンキースGM付特別アドバイザー就任。

 ※1月25日まで毎日午後4時配信

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