【オリックス】誤審問題でNPBに史上3例目となる提訴 改めて続行試合の開催求める

スポーツ報知
誤審問題で会見するオリックス・湊球団社長(左)と長村球団本部長

 オリックスは6日、6月22日・オリックス―ソフトバンク戦(ほっと神戸)での誤審問題を受け、京セラD内の球団事務所で会見を行い、改めて続行試合の開催を求め、同日午前に日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーに提訴状を提出したと発表した。プロ野球史上、野球協約第20章の第188条に基づく提訴が行われたのは、1978年の江川事件、2008年のパウエル二重契約問題以来3例目となった。

 会見には湊通夫球団社長、長村裕之球団本部長が出席。約25分にわたる会見で湊社長は提訴に至った理由について「長期化することは、本意ではありません。ただし当球団が当初より申し立てていることと、先方からの回答に少なからず齟齬(そご)があるため、野球協約に基づき提訴という形でコミッショナーに裁定を依頼いたしました」と説明した。

 2日にNPB側は、オリックス側に「リプレイ検証による最終裁定は適性に行われた」とし、「試合中のリプレイ検証の運用では問題がなかったことから、アグリーメント違反および野球規則の違反には至らないとの判断」という回答を文書で伝えた。これに対しオリックスは、コミッショナーの最終裁定での解決を求めた。

 オリックス側の要求は、ソフトバンク戦の10回戦10回表2死一塁、打者中村晃選手、カウント2―2の9球目をファウルとし、10球目からの続行試合の開催を求めている。

 ◆ここまでの誤審問題の経過

 ▽6月22日 オリックス―ソフトバンク戦(ほっと神戸)延長10回2死一塁。ソフトバンク・中村晃の右翼ポール際のスタンドに飛び込んだ打球は、一塁塁審がファウルと判定。その後、工藤監督のリクエストでリプレー検証を行った結果、審判団は判定を覆し決勝の2ランとなった。しかし試合後、福良監督の抗議を受け、審判団がオリックス側と再検証し、最終的に誤審を認めた。

 ▽同23日 NPBの友寄正人審判長と仲野和男パ・リーグ統括らが、ほっと神戸でオリックス・福良監督、長村球団本部長らに謝罪。NPBは試合は成立しており、記録の訂正はしないとしたが、オリックス側は誤審があった場面から試合をやり直すよう要望した。

 ▽同26日 NPBは都内で野球規則委員会を開き、野球規則に基づいて続行試合を行わないと回答。オリックスは文書で即座に反論し、判定を覆したこと自体がリーグのアグリーメントに違反すると指摘し、再検討を要求した。

 ▽7月2日 NPBは、オリックスの要求に再回答し、続行試合の開催を認めない旨を文書で伝えた。オリックス側は再度、要求する姿勢を見せた。

 同6日 オリックスは球団事務所で反論会見。

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