【球宴】12年ぶりの中日・松坂、2被弾1回5失点それでもソフトバンク・柳田K斬り

スポーツ報知
1回2死一、三塁、森(左)に3ランを浴びた松坂は、1回を5失点で降板した(カメラ・矢口 亨)

◆マイナビオールスターゲーム2018第1戦 全パ7―6全セ(13日・京セラドーム大阪)

 12年ぶりの球宴で悔しさが込み上げた。全セの先発としてマウンドに立った松坂。秋山に先頭弾を浴びると、さらに1点を追加されてから森友(西武)に3ランを献上した。予定の2イニングは持たず、1回30球5失点で降板。「もう少し長いイニングを投げたかった。ファンの方々に申し訳ない」。会見後には自軍のマスコット、ドアラに殴りつけられて苦笑いを浮かべた。

 前回出場は西武時代の06年第1戦(神宮)。「10年以上前なのでスピードも落ちてますが、力勝負でいきたい」と予告していた37歳だが、直球系のボールが甘く入った。背中の捻挫で6月17日の西武戦(メットライフ)の先発を回避。同8日のソフトバンク戦(ナゴヤD)以来の実戦登板だった。「宣言通り直球系で勝負にいって、見事返り討ちに遭いました」と充実感すら漂わせた。

 誰もが認める「松坂世代」の盟主は「僕は“KK世代”です。憧れてました」と打ち明ける。少年時代は桑田真澄(現スポーツ報知評論家)、清原和博のいる巨人と西武を応援していた。「球宴で印象に残っているのはお二人の対決です」。1987年の第3戦(甲子園)でK砲が放った一発は松坂少年の心を奮わせた。

 大阪での地震、西日本では豪雨と自然災害が続く。「球宴を見て、少しでも明るく元気になってくれればいい」と野球の持つ力を信じて投げ抜いた。16年の地震で被害を受けた熊本での14日の出場も「余裕があれば(打席に)立ってみたい」と代打での登場を熱望した。

 後半戦開幕の16日からの広島3連戦(ナゴヤD)の登板に向けて「投げられたので(患部の状態は)いいんじゃないですか」。平成最後の球宴。平成の怪物が前向きな笑みを浮かべた。(田中 昌宏)

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